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●質問11 「所有権は時効で消滅することがありますか?」 親の代から、土地建物を引き継ぎ、固定資産税等も支払ってきました。本来なら、兄が相続した土地建物ですが、都会でサラリーマン生活をして、戻れない状況が20年以上も続いています。その家屋敷に居住しながら維持管理や世話など、全て弟の私がしています。土地建物所有権名義は兄になっていますが、亡くなった父親は、生前、田舎に残る私に家屋敷をやると言っていたことも事実です。兄が将来、田舎に戻った時に、この家屋敷を明け渡さないといけないですか? ●回答 時効には権利がなくなる消滅時効と権利を取得する取得時効があります。本件の場合、兄は土地建物の所有権を主張して、弟に明け渡しを迫るでしょうが、弟は、生前の父の言葉を信じて、20年以上平穏公然と家屋敷を占有してきたから、土地建物の所有権は時効で自分が取得したと反論することになります。この質問内容だけで決定的な判断は困難ですが弟の方の主張が法的に有利だと思います。民法162条が法的根拠です。@自分が所有するのだというつもりで、20年間、平穏且つ公然に物を占有してきた場合には、占有者がその物の所有権を取得します。A不動産を占有するにあたり、自分が所有者だと思い、また、そう思うのが無理もない事情にあり、しかも、10年間所有者だと思いながら、平穏且つ公然と占有し続けた場合には、占有者がその不動産の所有権を取得します。
●民法145条 当事者が時効を援用しないと裁判所は時効の事実に基づき、裁判出来ない。
●請求書の時効中断効果 |
●質問12 「国際結婚の手続きと国籍について教えて下さい。」 日本人の男性ですが、外国人の女性と結婚したいのですが、どのような手続きが必要ですか?また、結婚後の国籍はどうなりますか? ●回答 婚姻届は、一般的には両方の国で手続きが必要です。その国の法律に基づき、本人が行うことが基本です。日本国内で先に婚姻届を出す場合と相手の外国人の国で先に婚姻届を出す場合とでは、提出書類や要する時間が異なるようです。いずれにせよ、その国の法律に違いがありますから、婚姻する際に当事者の国の法律や手続き内容を該当の大使館等に問い合わせすることをお勧めします。(国内であれば、最寄の市町村役場で必要書類等の確認をして下さい。) 一例ですが、男性が日本人、相手の女性がインドネシア人(イスラム教徒)の場合の一般的な手続きを紹介します。(あくまでも参考程度) 男性が日本国内で婚姻届を出す場合には、居住地の市役所等に対し、在日インドネシア大使館(又は領事館)発行の「婚姻要件具備証明書」を受け入れて貰えるか否か確認する必要があります。この場合の「婚姻要件具備証明書」とは、簡単に言えば、その国の法律で結婚しても支障がないと言う証明書です。 ■大使館(又は領事館)で婚姻要件具備証明書を発行して貰う際の必要書類は、以下の通りです。
●以上の書類を持って、大使館(又は領事館)に行き婚姻要件具備証明書を発行してもらいます。 ●この婚姻要件具備証明書と婚姻届及び役所指定の書類(インドネシア女性の出生証明書とその日本語訳、パスポート、外国人登録証及び日本人男性の戸籍謄本)を持って、最寄の市役所等に提出します。一応受理されると「婚姻届受理証明書」が発行されます。(後から、法務省から呼び出しを受ける場合があります)また、役所指定の書類は、それぞれの自治体により、相違がありますから事前に確認が必要です。 ●次に「婚姻届受理証明書」及び「当事者2名で写っている写真」を持って、大使館(又は領事館)に行き、「Surat Keterangan Menikah」(Acceptance Certifcate Marriage)を発行して貰います。 ●この書類を持参して、インドネシアの宗教事務所又は民事登記所に提出すると、「Akte p erkwinan」(婚姻証書)が発行されます。(これで婚姻手続き終了)また、市役所等で婚姻届受理証明書を貰って大使館を経由しない場合は、直接、インドネシアのKUA又はCatatan Sipilでも婚姻手続きが可能です。この場合は、それ相当の事情説明が必要です。 ●その他、イスラム教の場合は、宗教を重んじますので、インドネシアに住む場合は、改宗の問題があります。 ●国籍に関して、この場合は、日本人男性がインドネシア女性と日本国内に住む場合ですが、男性は日本国籍のままですが、相手の女性は外国人登録されたままで、婚姻してもすぐに日本国籍を持つことは出来ません。日本人男性の配偶者になったことで、「在留資格」を持つことが出来て、日本に居住することが可能です。将来的に「永住権」を取得すれば、「在留資格更新」が不要になり、「帰化」すれば、初めて「日本国籍」が取得できます。また、二人の間に生まれた子(嫡出子)の国籍は、父母どちらかが、日本国民であれば、日本国籍を持つことが出来ます。外国の準拠法にも依りますが、一般的には、父母どちらかの国籍を選択することになります。米国の場合は、領土内で出生した子供には、自動的に米国国籍が与えられます。日本の場合は、日本国内で出生したから言って、自動的に日本国籍が与えられることはありません。 |
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●質問13 「行政書士の契約書作成代理権とは?」 依頼人から売買に関する契約行為を行政書士に委任したいのですが、どの範囲まで任せられますか? ●回答 行政書士法第1条の3第2項で「行政書士は他人の依頼を受け報酬を得て、行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成することができる。」との文言に示す通り、「契約書類作成の代理権」が認められています。この代理権取得に依り、民事法的書類(売買・貸借・抵当権設定・請負・雇用・示談書・和解書・念書・覚書・内容証明郵便の請求書・遺産分割協議書等)の「契約締結」を依頼者の「委任契約(委任状)」に基づき、「代理」して行うことが出来ます。委任の範囲は、依頼者の相手方と「契約内容について協議、交渉」して、その「合意内容を契約書にまとめる」等、「契約書面締結に至るまでの一切の法律行為」が可能です。但し、当事者間で訴訟提起するような事件は、行政書士が直接相手方と交渉することは出来ません。(弁護士法72条の非弁活動禁止)例えば、「遺産分割協議」に際して、行政書士は複数当事者の代理を務めて、助言説得を含めて相続人間の合意形成をリードし、その合意内容を「遺産分割協議書」にまとめ上げ、作成することも出来ます。この代理は民法第108条の「双方代理禁止」に抵触しない有効なものと解釈されています。この他に、「交通事故の合意示談書作成」も行政書士の「合法的な契約締結代理業務」として言えます。このように「調停・訴訟の因をなす紛争状態」であれば、行政書士は代理介入出来ませんが、「事前に法律トラブルを回避・予防する最善の策」として、当事者を代理して、「契約書の作成・交渉・締結・その後のコンサル」まで、行政書士が責任を持ってお手伝い出来ます。このことが、「行政書士は予防法務の専門家」だと言われる所以です。 |
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●質問14 「悪質サイトや携帯メールで、うっかり登録ボタンをクリックしてしまった。」 携帯電話に届いた「完全無料」の広告を見て、出会い系サイトに登録しました。その後、登録料4万円を請求され、驚いて、その規約を読むと「利用料は無料。登録料4万円」と表示されていました。初めから、有料だと分っていれば登録しなかったのに。どう対処したらよいですか? ●回答 「電子消費者契約法」(平成13年12月25日施行)に依ると、事業者と消費者間の電子契約において、「無料」画面だと思いクリックしたら、実は「有料」で代金を請求された場合等、操作ミスや錯誤(勘違い)があったときは、その契約は原則として無効です。 最初から契約は成立していませんから、請求があっても料金を支払う必要はありません。事業者は消費者が「申込みボタン」を押すことイコール「有料」であることをボタンを押す前に分りやすく明示しなければなりません。また、「申込みボタン」を押した後に、必ず、消費者が入力した「申込み内容」を一度、確認させるための画面を用意する必要があります。更に、注文・申込みがあった場合、「申込み承諾」の連絡をし、且つそれが申込み者に届かないと法律上は契約成立していません。(到達主義) ■注意事項
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●質問15 「不倫の慰謝料金額の相場はあるの?」 ●回答 夫婦はお互いに貞操を守る義務があります。夫婦の一方が他人と不貞行為(不倫)を行うと、貞操義務に違反する行為(不法行為)になります。不貞行為は離婚原因になり、不貞を働いた夫又は妻に離婚請求できます。また、夫婦の一方と不貞行為(不倫)をした者は、その夫婦の残った一方(配偶者)に対し、共同不法行為をしたことになり、損害賠償の義務が発生します。(最高裁判例 昭和34年)この場合の損害賠償は精神的損害に対するもので、「慰謝料」と言われます。また、その浮気相手に対しては、相手の方から誘惑したり、その貞操義務違反に積極的に加担した場合に限り、損害賠償の責任を問えるとする学説が強くなってきています。一方、慰謝料の相場は、50万円から300万円だと言われますが、精神的損害の賠償故、財産上の損害と違い、算定につき、明確な基準はありません。(ケース・バイ・ケース)最後の判断は、社会通念と裁判官の良識に依ることになります。但し、慰謝料算定の際に、考慮する条件は、次のようになります。(1)夫婦の離婚 (2)不倫期間 (3)不倫の程度 (4)妊娠の有無 (5)どちらが主導的(積極的)であったか等。 ●夫が不倫関係において、主導的・積極的であった場合、その妻から夫の不倫相手に対する慰謝料請求は低額にすべきだとして、請求額を減額し、150万円にした判例があります。 ●子供から不倫相手への慰謝料請求については、判例は認めていません。 ●不倫相手だけでなく、不倫をした配偶者(夫又は妻)に対しても、慰謝料請求が出来ます。 ●離婚しなくても、不倫相手に慰謝料請求が出来ます。離婚した場合の方が慰謝料は高額になる傾向にあります。 ●肉体関係がない場合は、不貞行為(不倫)を理由とした慰謝料請求は難しい。(ただ単に二人で逢っているだけの行為) ●不倫相手も既婚者である場合(ダブル不倫)、こちらから不倫相手に慰謝料請求しても、不倫相手の配偶者からは、本人の配偶者に慰謝料請求されます。但し、相殺は出来ません。 |
| ●質問16 「お金の貸し借りの契約内容を公正証書にしたら、どんな効果がありますか?」 友人に300万円を貸すことにしたのですが、口頭やメモ程度の契約では不安なので公的に証拠力を持つ、強制力のある公正証書にしたいと思っています。その効果と手続き等教えて下さい。 ●回答 お金の貸し借りを内容とした契約を法律的には、「金銭消費貸借契約」と言います。勿論、「契約自由の原則」に基づき、強行法規・違法行為・公序良俗等に反しない内容の契約行為であれば、口頭でもメモ程度の契約書面でも有効です。契約の方式・締結の仕方等は当事者の自由です。しかし、一般的に金銭消費貸借契約は、返済期間や返済方法等、重要項目が含まれていますので、私人間の契約書(私製証書)では、後々のトラブル発生・証拠能力・強制力等の点で十分であるとは言えません。借主が約束の期日になっても返済してくれなかった(債務不履行)時にも、法的に強制力を持たせ、いざと云う場合に借主の動産・預貯金・不動産等に対して強制執行する手段を確保出来るのが「公正証書」です。手続きの方法は、借主と貸主(当事者)又は、代理人が公証役場に出頭し、公証人の面前で公正証書にすべき内容を陳述します。作成までに時間がかかりますので、予め公正証書にすべき内容を起案して公証人と打ち合わせしておくことをお勧めします。行政書士は、依頼人の代理人として、その起案文を法的に間違いのないように作成する「法律専門家」です。当事者の一方の代理人として、公証役場に出頭して手続きを円滑に進めることが出来ます。尚、公正証書作成手数料は「目的価額」に依り、異なります。本件は300万円なので、「500万円まで11000円」になります。(行政書士の報酬料は別途)このように公正証書は、「後日契約締結の事実を確実に且つ容易に立証出来る、比較的安価で、しかも安全確実な公文書」と言えます。 ●「公正証書」とは、国家機関である「公証人」が依頼者の依頼に依り、その契約内容を聞いて、作成する書類を言います。公証人法では、作成を公証人に依頼することを「嘱託」と呼び、公正証書の作成を依頼する人を「嘱託人」と言います。 ●金銭債権(その他、一定数量の代替物、有価証券に依る一定数量の給付等)に関して、公正証書の文中に「強制執行しても結構です」と言う趣旨の文言(執行認諾約款)があれば、その公正証書に基づき、(裁判所に持ち込まなくても)強制執行が可能です。 強制執行は、国の力を借りて行うもので、私的行為では為し得ません。裁判の判決や裁判上の和解等でも当然、執行の根拠がありますが、裁判所だけに頼ることは、処理件数の多さに対応した迅速性と処理能力に限界があるものと思われます。公正証書は、それを補完する公的機関(公証人)に強制執行を関与させる意味合いがあります。 ●公正証書が比較的多く利用される法律行為(契約)の紹介 債務確認(弁済契約)・消費貸借・賃貸借・保証委託・遺言・離婚給付・必ずしも金銭の支払いを目的としない法律行為にも公正証書が重宝されます。 ■公正証書の効果 1、証拠としての効力 公証人がその職務上作成したものと認められるときは、真正に成立した公正証書と推定されます。(民事訴訟法228条2項)(形式的証拠力) また、公的機関の公証人が当事者の申立てを録取して作成した文書(公文書)は私人の作成した文書に比べて、はるかに高度な「信憑性」を持っていると認められる。(実質的証拠力) 2、債務名義としての効力 「債務名義」とは、強制執行をすることが認められる文書を指します。公証人の作成する公正証書の中で、「一定の金額の支払い又はその他の代替物若しくは有価証券の給付を目的とする特定の請求」については、直ちに強制執行することが出来ます。(民事執行法第22条5号) 3、心理的圧力としての効力 公正証書には、優れた証拠力があり、且つ金銭支払いについて執行認諾約款があれば、直ちに強制執行が出来ることから債務者に対して「履行しなさいと言う無言の圧力」がかかります。事実上の心理的圧力を上手く活用することで、「紛争を回避する予防法務」に役立つ手段とも言えます。 ■金銭支払いを目的とする公正証書に執行認諾約款の付されたものを「執行証書」と言います。 「その執行証書作成の注意事項」 1、執行認諾約款を絶対に忘れないこと 2、記載された債務が特定されていること 「債権者と債務者間の100万円の債務」だけでは、特定されたことにならない。 具体的な債務の記載が必要であり、他の債務と区別出来て、その同一性が認識出来る程度の記載でよいとされています。 3、給付すべき金額が一定であること 債務名義に記載された債権額が明確でないと執行機関は強制執行出来ません。 利息・遅延損害金の場合は、元本さえ決定していれば、一定の率で計算可能なので、その記載が公正証書の中で明確になっていればよい。 4、将来の債権は執行証書とすることは出来ない 但し、一定の期限が到来したときに請求出来る債権であれば、将来の債権ではないとされます。 ■公正証書作成時に用意する必要書類 1、自分を証明するもの 印鑑証明書、運転免許書・外国人登録証・パスポート等 2、印鑑(実印) 3、当事者が法人の場合は代表者の資格証明書、又は商業登記簿謄本 4、委任状と委任者の印鑑証明 公正証書を代理人に依って作成するときは、委任状と委任者の印鑑証明書及び代理人の印鑑証明書・実印又は運転免許証と認印が必要 ●金銭支払いを目的としない契約内容を公正証書にする場合も、「強い証拠力を持つ証拠としての価値」が認められます。例えば、登記のない担保権であっても、公正証書が組まれてあれば、「公正証書の謄本」に基づき、「不動産競売の申立て」が認められています。(民事執行法181条1項2号)また、遺言の場合も、普通の遺言は家庭裁判所に提出して、遺言方式等の遺言書の状態を確認し、明確にする手続き(検認手続き)が必要ですが、公正証書遺言はその手続きが不要です。「権利の実現と紛争予防」の観点から、公正証書は有効な公文書と言えます。 ■その他の公証方法 1、認証 公文書以外の私人が作った証書(私署・私製証書)の「署名(記名押印を含む)が、本人のものに間違いない」ことを公証人に証明してもらう方法。外国語で書かれた文書も認証出来ます。 2、宣誓認証 後日、裁判等の証拠にしたりする重要事項等に関し、その証書の署名・捺印者がその証書に書かれている内容が真実であることを宣誓した上で、証書に署名又は捺印して認証を受け、「その文書の真実性を担保する」方法。持参書類として、認証を受ける書面(原本2通)・署名者本人の印鑑証明書1通(法人の場合は、代表者の印鑑証明書・資格証明書) 3、確定日付 その確定日付を受けた日に、「その証書が存在した」ことが証明されます。確定日付を受ける証書を持っていくだけで受けられます。 ●法律で公正証書に依り契約することが義務付けられているもの 事業用借地権設定契約・任意後見契約等は、公正証書でなければ、その契約効果は認められません。 ●質問17 「ネットオークションでチケット購入しましたが、注文したものと違います。取消は出来ますか?」 インターネットオークションサイトで、有名コンサートのS席のチケットを落札し、3万円の代金を前払いしました。その後、出品者(販売業者)から何の連絡もなくチケットが届かず、催促したら、S席ではなく、A席のチケットが来ました。チケットの交換が出来ないのなら、取消して代金を返還して欲しいのですが、どうしたらよいですか? ●回答 最近、ネットオークションが流行していますが、そのトラブルも急増しています。一般的には、「出品者と落札者が双方とも個人であり、営利を目的にしない場合」と「販売業者が出品者となり、営利を目的にして消費者に商品等を販売する場合」があります。後者の場合は、「ネットを利用して商品等を売買する取引(電子商取引)」も「通信販売」の一種に該当しますので、特定商取引法が政令指定する商品や権利、サービス提供の取引を行うときは、この法律が義務付ける規定を守りながら事業を行う必要があります。 本件に関しては、出品者が販売業者であることからして、特定商取引法の規制を受けます。前払い方式でチケットを販売するときは、販売業者は「特定商取引法の定める書面の交付をしたり、電磁的記録を提供することに依り、契約成立の有無やその内容を通知する義務があります」(特定商取引法13条) しかも、オークションでは、落札者とS席のチケットについて「売買契約」が成立しています。販売業者がA席のチケットを引き渡した(届けた)のであれば、「債務不履行」(約束の期日に遅れたのであれば、履行遅滞或いは、不完全履行)になります。また、最初から、S席のチケットを販売出来ないのに、恰もS席チケットを販売するかのように表示して落札者を勧誘している行為は、「消費者契約法」の「不実の告知」に該当する可能性があります。(消費者契約法4条1項1号)つまり、本件の場合は、出品者が販売業者であることから、広告規制違反・書面交付義務違反等の特定商取引法違反があり、行政処分を受ける対象になります。また、書面交付義務違反は、刑事罰制裁(100万円以下の罰金)を受けます。(特定商取引法72条)また、チケット購入者(落札者)は消費者契約法の不実告知の理由で「契約を解除(取消)して代金の返還や損害賠償を請求する」ことが可能です。勿論、販売業者がチケットを交換してS席のチケットを期日に間に合うように落札者に送ることが可能であれば、現にチケットの引き渡しが遅れたことに対する損害があれば、その損害補填をして、チケットの交換をして債務を履行することが可能です。一方、個人間で営利を目的としない取引の場合は、特定商取引法の適用はありません。契約内容や民法の規定に従い、法的な対処がなされます。いずれの場合も出品者の住所・氏名等が特定されていれば、「内容証明郵便」で「契約取消の意思表示」をすることをお勧めします。 |
| ●質問18 「街でキャッチセールスに遭い、英会話教室の受講契約をしてしまったが、契約は解除出来ますか?」 街角で言葉巧みに呼び止められ、つい契約申込の書類にサインしてしまいした。英会話教室には関心があったけれど、後から受講料が20万円と聞かされ、「自分の思い」と違いました。契約申込を解除したいのですが、可能ですか? ●回答 一般的に「キャッチセールスとは、街中で言葉巧みに人を呼び止めて、喫茶店や事務所等に連れて行き、本来の目的を隠して、そこで物を販売したり、英会話教室や各種講座の受講契約をさせる等、悪質商法のひとつです」セールス内容は、モデル・英会話教室等の研修講座の受講、化粧品・健康食品の販売、映画鑑賞会の会員資格の勧誘、エステサロンの勧誘等、最近は新種の販売・勧誘手段も目に付くようになりました。被害者の多くは、比較的若い女性です。 本件の場合、契約者が成年に達していれば、「特定商取引法」(英会話教室は、特定継続的役務提供に当たる)の適用で「クーリングオフ」出来ます。「受講契約書」の控えを貰った日を含めて8日以内に「解除通知」を「内容証明郵便」で契約相手先に通知します。契約者からの一方的な通知を出すだけで契約は解除されます。(発信主義)これに依り、契約は最初からなかったことになり、受講料の20万円を支払う義務はありません。受講料支払いに関して、別に「クレジット契約」を取交していれば、同時に、そのクレジット会社に対しても、「解除通知」を内容証明郵便で出すことが必要です。受講契約書面の交付を最初から貰っていないときは、8日にかかわらず、いつでも契約を解除出来ます。 一方、契約者が未成年の場合、受講料の20万円を支払う契約行為については、法定代理人(親権者、通常は両親)の同意が必要です。親権者が契約相手先に対して、「未成年者取消権」を行使して、受講契約を取消すことも可能です。また、クーリングオフの期間を過ぎてしまっていた場合でも、「消費者契約法」第4条1項1号の「不実告知」に該当したり、或いは、同条2項の「不利益事実の不告知」に該当して、契約の取消が可能です。その他、「勘違い」に依る契約は、「動機の錯誤」に当たり、無効を主張出来ます。契約相手先が、明らかに騙したのであれば、「詐欺」に該当し、契約を取消すことも出来ます。いずれにしても、黙認しないで、「受講契約」を解除して、受講料の支払いを拒絶すべきかと思います。 ●質問19 「刑事告訴と刑事告発及び被害届の違いは何ですか?」 刑事犯罪が確実であり、相手を告訴したいと思っていますが、告訴、告発及び被害届の法的な違いを教えて下さい。 ●回答 刑事告訴は、犯罪の直接の被害者が、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求めることを言います。(刑事訴訟法230条)一方、刑事告発は、犯罪があると思えば、被害者でなくても誰でも、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求めることを言います。(刑事訴訟法239条)また、被害届は、法律の規定はなく、警察署に対し、犯罪事実の申告を提出するだけで、処罰を求める内容ではありません。 ●告訴は、代理人に依頼することも可能です。また、被害者の法定代理人、更に被害者死亡のとき一定の親族にも告訴権があります。被害者が未成年や成年被後見人等、制限能力者である場合、その保護のため、親権者や後見人等の法定代理人は被害者が告訴権を失った後でも、被害者のために告訴することが出来ます。更に、被害者が告訴しないで死亡した場合、被害者の配偶者、父母等の直系親族、兄弟姉妹は告訴することが出来ます。(但し、生前、被害者が告訴しない意思が明確であったときは除く) ●行政書士は、権利義務又事実証明に関するの書類作成の法律専門家です。被害者の委任契約に基づき、相談から告訴状・告発状の作成・提出の代理に至るまでの行為を業として為すことが出来ます。 ●告訴・告発が行われると、捜査が開始される可能性が出てきます。(刑事訴訟法189条第2項)司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯罪の逃亡を防止して、身柄を確保するとともに証拠を収集し、刑事裁判のための準備をする。 ●告訴・告発の手続きは、口頭又は書面に依り、検察官、司法警察員(警察官)に対し行います。特定の犯罪事実について、「犯人の処罰を求める意思」と告訴人又は告発人が「誰であるか」を明らかにして行う必要があります。(厳格な書式は規定されていませんが、犯罪が特定出来る「具体的な告訴事実」と「処罰を求める文言」が必要) ●親告罪の告訴期間は、犯人を知った日から6ヶ月以内です。但し、強制わいせつ・強姦・準強制わいせつ・準強姦・営利目的等略取・誘拐等の告訴には期間の制限はありません。 ●告訴・告発が口頭でなされたときは、検察官、司法警察員は「調書」を作成しなければならない。 ●告訴・告発状の提出先は、特別の制約はありません。検察庁、警察署どちらでも構いません。通常は、被害者の最寄の警察署に提出します。 ●提出された告訴・告発が司法警察官に受理されると、速やかに書類、証拠物を検察官に送付(書類送検)して、検察官の指揮を待たなければなりません。(刑事訴訟法242条) ●告訴・告発した場合でも、事件に依り、受理されないことがあります。違法なヤミ金業者等の告訴・告発は、一旦預かり、告訴状のコピーをして返却される場合もあります。しかし、自らの権利は、厳正な処罰意思を持って、泣き寝入りしないことが肝要です。 ●質問20 「動物専用のホテルでペットが皮膚病に感染した場合の治療費請求は?」 ペットを五日間、有償で預かって貰いましたが、皮膚病に感染して、獣医にかかってしまいました。ホテル側に責任を追及して、その治療費は請求出来ますか? ●回答 ペットを預かる行為は、法律的には「寄託契約」に該当します。(民法657条以下)寄託契約は、当事者(預ける方を寄託者・預かる方を受寄者と云う)の一方が相手方のために保管をなすことを約して、その物を受取ることに依り、効力を生じます。(要物契約)原則的には、無償契約ですが、本件の様に業として為す行為は報酬の支払いを特約出来ます。有償寄託の場合、受寄者であるホテルは、ペットの保管について、自己占有の下で滅失・毀損を防ぎ、預かった時の状態を維持する義務があります。つまり、そのペットを寄託者に引き渡すまで、「善良な管理者の注意」を持って、保存することが義務付けられます。(善管注意義務)平成11年改正の動物保護法では、ペットホテル経営者に対して、「保管のための施設を設置して動物取扱業を営む者」として規制がなされ、都道府県知事への届出、総理府令や条例の定める基準遵守が義務付けられました。違反行為に対する罰則規定もあります。本件の場合、ホテル側がペットを預かる者として、「善管注意義務」を尽くしたか否かが論点です。 |
●質問21 「度重なるつきまとい行為に対する法的措置はありますか?」 以前交際していた男性から、「つきまといや待ち伏せ、無言電話等」で嫌がらせを受けています。毎日が不安で精神的にかなりまいっています。ストーカー行為を中止させるよう、法的に対処出来ないでしょうか? ●回答 特定の相手への恋愛感情や好意の感情(満たされない怨恨感情を含む)を充足させる目的で、その相手や配偶者、一定の親族に「つきまとい等の行為を繰り返す者」は「ストーカー」と云われます。「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(ストーカー行為等規制法)第3条で「何人も、つきまとい等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせる行為」は禁止されています。この法律に依り、ストーカー行為を処罰し、規制することの他に、被害者に対する援助措置(必要に応じて身辺保護もしてくれる)も講ずることが可能になりました。 ●被害者から告訴があれば、刑事手続きに依り処罰が可能です。被害者からの申立てを受けて、警察や公安委員会が「警告」や「禁止命令」を出すことも出来ます。 ●質問22 「婚約破棄の場合の慰謝料請求は?」 独身同士の二人が知り合って一年になりますが、親しくなり、5、6回の肉体関係を結び、その後、彼女が妊娠したことが分り、そのことが理由で二人の関係は冷めてきました。最初の頃は、「親の反対があっても、一緒になろう」と言葉上では、言ったことがありますが、真面目に将来の結婚を約束したつもりはありませんでした。彼女の方は、「正当な理由もなく、婚約を破棄されたとの理由」で慰謝料を請求しましたが、認められますか? ●回答 婚約とは、法的に言えば「婚姻予約」のことです。「誠意を持って将来、夫婦になることを約束する、当事者間の契約」です。その成立は、当事者間の「婚姻しよう」と云う「誠意ある意思表示の合致」が必要です。 ●質問23 「未成年者が生んだ子供の親権は誰にありますか?」 大学一年生の娘が同級生の男性と同棲して、その結果、子供を出産しました。この場合の親権は誰にありますか? ●回答 民法818条第1項の規定に依り、「成年に達しない子は、父母の親権に服する」ことになります。娘さんは、「親権に服する」身分であり、子供の親権者たる資格はありません。同棲の相手(男性)が成年に達していれば、自ら親権者になれますが、子供を認知して貰わなければなりません。仮に、この男性が未成年の場合、娘さんと「未成年の婚姻」手続きをして、法律上の夫婦にしてやることも考えられます。 ●質問24 「サラ金業者の悪質な取立てに対処する方法はありますか?」 複数のサラ金業者から借金しているため、返済が滞りがちです。そのために催促の電話がひっきりなしにかかり、夜中にも督促の電報が来たりして、家族もノイローゼ気味です。法的な対処方法はないですか? ●回答 貸金業規制法21条の規定で、貸金業者は「債権の取立てをするに当たって、人を威迫し、又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動に依り、その者を困惑させてはならない」と定められています。この規定に違反すると、業者は1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処せられます。また、業務停止又は、登録取消等の行政処分の対象になります。その他、「貸金業規制法に関する金融庁の事務ガイドライン」では、次の行為が禁止されています。 ●質問25 「サラ金業者に余分に支払った利息の取り扱いはどうなるの?」 6年前にサラ金業者から50万円を年40・004%(日歩0・96銭)の条件で借入れて、毎月利息を支払っています。「利息制限法」と云う法律に依れば、支払い過ぎた利息は元本に充当出来ると聞き、その業者に主張したところ、「みなし弁済規定」に依り、この場合、利息制限法は適用されないと言われました。利息は毎月末に銀行振り込みしていますが、その業者からは一度も領収書は貰っていません。正しい法律的見解を教えて下さい。 ●回答 利息制限法に依れば、元本が10万円未満の場合、年20%、10万円以上100万円未満の場合、年18%、100万円以上の場合、年15%の利率になります。これを超過する利息は、超過部分につき無効です。(利息制限法1条)また、遅延損害金の約定は、この制限利率の1・46倍迄の定めは有効ですが、これを超えるときは、超過部分について、無効です。(利息制限法第4条)最高裁判決に依ると、利息制限法の制限利率を超過する部分は元本に充当され、その元本が完済になった後の過払金は、返還請求出来ます。また、「みなし弁済規定」が適用されるためには、貸金業規制法第43条に定める多くの要件を全て充足していないと認められません。 |
●質問26 「未公表の企業秘密やコンピュータソフト等の著作権の存在を公的に主張する方法は?」 まだ世の中に出回っていない、希少性の高い機密ソフトを開発しましたが、今後、他社に売り込みたいと考えています。盗用等を防御し、公的に著作権の存在事実を証明する方法はありますか? ●回答 現行の法律では、著作権保護の為の完璧な方策は、残念ながら、十分ではありません。必要且つ十分な保護制度がない以上、著作者(創作者)が自ら、保護対策を講ずるしかありません。著作権は、創作した時点で権利が発生します。(無方式主義)その権利を対外的取引に主張したり、存在の証明をすることは、「知的財産の保全・対抗策」にも有効だと思われます。 「未公表の著作物」であれば、「著作権の存在事実証明」を著作者(創作者)に代わり、行政書士が代理手続きをいたします。行政書士法第1条2の「事実証明業務」に基づき、「著作物の存在」を確認し、その確認した事実を記載した書面即ち、「存在事実証明書」で「著作物を封印」し、「公証人の確定日付」を得て、その著作物(創作物)を「証明物」として保管するものです。(正本1部を著作者に、副本1部を証明者が保持します) つまり、この確定日付があることで、「著作物の存在事実証明書」が、その日に、その著作者(創作者)の手元に確実にあったことが証明されます。後日の紛争予防やトラブル回避、取引の安全には効果的な方策だと考えられます。 ●当事務所で代理作成する「著作物の存在事実証明」は、財団法人日本著作権機構の許諾を受けた正当な業務です。作成する「存在事実証明書」には、財団法人日本著作権機構の許諾番号(Copy Trust-G420)を付与します。 ◆財団法人 日本著作権機構(JCA) http://jca.net-b.co.jp/ ●「未公表の著作物」として、想定されるものの例 コンピュータソフト・オリジナルプログラム・各種データベース・企業秘密・事業計画書・重要書類・重要報告書・機密ノウハウデータ・設計図面・マニュアル・取扱説明書・顧客名簿・企画書・ゲームソフト・キャラクター・HP・作詞作曲・イラスト・グラフィックデザイン・絵画・写真・作文・論文・コラム・俳句・川柳・小説等 ●知的財産の権利保全は、今後益々、重要性を帯びてきます。自らの権利は、自らが責任を持って守るしか手立てはありません。特に、ベンチャーで起業を志す方には、オリジナルなソフトや技術の保全は死活に関わる生命線です。その保全対抗手段のひとつとして、「著作権の存在事実証明」をお勧めします。 ●行政書士北村國博は、日本行政書士会連合会研修センター主催の「著作権研修会」を受講し、その全ての科目を修了した正式な「著作権相談員」(著作権コンサルタント)です。法に基づく守秘義務を万全にして、著作権全般に関して、信頼と責任ある業務を行います。 |
●質問27 「外国人の日本国籍取得の帰化手続きは?」 日本人男性と再婚して、日本に住所を有して5年になります。同居の夫の両親も理解があり、前の夫との間に生まれた子供を本国から呼び寄せて、現在一緒に暮らしていますが、この際、子供と一緒に帰化したいと思います。手続きはどうしたらよいですか? ●回答 外国人が日本国籍取得の帰化手続きをするためには、国籍法に準拠して帰化条件を備えているか?チェックしてみる必要があります。「普通帰化」の居住条件は引き続き「5年以上」、日本に「住所」を有することになっていますが、日本人と婚姻している場合は、帰化条件が緩やかになり、「3年以上」、日本に「住所若しくは居所」があれば、帰化申請は可能です。また、帰化申請は、世帯単位で受付られますので、本国から呼び寄せた子供が本国法で「未成年」の時に現在の父親と「養子縁組」が成され、日本での生活が1年以上経過していれば、子供の居住条件も満たしています。もし、養子縁組が成されていない場合でも、母親が日本人になりたいと決心している状況から、国籍法8条を適用して帰化申請が可能です。 ● 普通帰化の基本条件(一般的な外国人が帰化する場合) 国籍法第4条 日本国民でない者は、帰化に依って日本の国籍を取得することが出来る。 (1) 帰化をするためには、法務大臣の許可を得なければならない。 国籍法第5条 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、帰化を許可することは出来ない。 (1) 居住条件 引き続き5年以上日本に住所を有すること (2) 能力条件 20歳以上で本国法に依り、能力を有すること (3) 素行条件 素行が善良であること (4) 生計条件 自己又は生計を一つにする配偶者その他の親族の資産又は技能に依って生計を営むことが出来ること (5) 国籍を有せず、又は日本国籍取得に依って、その国籍を失うべきこと (6) 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て若しくは主張する政党その他団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと ● 簡易帰化の基本条件(日本人の子供や日本人配偶者等日本人と一定の関係がある場合) ● 帰化申請の必要書類(法務局担当窓口で説明を受ける) ●質問28 「マルチ商法の契約解除の方法は?」 ウェブ上でホームページの開設希望者を獲得したら、多額のボーナスが得られると云う広告を見て、一口5万円の加入金を支払いました。考え直した挙句、申込を解除したいと思いますが、どうしたら良いですか? ●回答 このような取引は、「マルチ商法」と呼ばれ、特定商取引法上の連鎖販売取引に該当します。勧誘時に、「契約の概要書」を受け取り、契約時には法定事項が記載された「契約書」の交付が義務付けられています。(特商法37条1項・2項) もし、契約書の交付がない場合や法定事項の欠如した契約書を交付された場合には、いつでもクーリング・オフに依り、「契約解除」が可能です。また、契約書を受領した日を含め20日以内であれば、クーリング・オフに依り、契約解除が出来ます。(特商法40条)内容証明郵便で「解除の意思表示」を相手方に通知すれば、一方的に法的解除が出来ます。(内容証明郵便の配達証明付きにすれば、通知した日付が明確になり、公的な証拠になります)マルチ商法で注意すべきは、商品や役務の売買が形だけのものであれば、その実態は「ねずみ講」と同じであり、「無限連鎖防止法」が適用されることもあります。その他、「詐欺行為」や「公序良俗違反」「不法行為」に該当するケースも有り得ますので、十分に注意検討が必要です。本件のようなウェブ上のトラブルでは、結果が起きた時、相手方の住所・氏名の特定が困難な場合が多いので、予め、相手方を特定する慎重さが必要です。もし、曖昧な住所・氏名等であれば、最初から契約の申込はしないことです。 ●質問29 「離婚後、子供の養育のために、今の自宅に住み続ける方法は?」 夫との離婚を考えていますが、自宅を出ると、住む場所がありません。せめて、子供が成人するまでは、自宅に住めるようにしたいですが、何か方法はありますか? ●回答 あくまで、夫との交渉になりますが、自宅に居住するための「賃借権」の設定を承諾してもらいます。自宅の所有権名義が夫であれば、離婚給付条件として、財産分与で自宅の所有権を譲渡してもらうよう交渉出来ます。どうしても、このような交渉が困難な場合は、調停又は裁判で決着することになります。自宅取得が難しいときは、夫に対し、対価を支払って所有権取得することも考えられます。判例上、対価支払いも困難な場合、子供が成人するまでの期間、夫と自宅の賃貸借契約又は、使用貸借契約を結ぶことを認めたケースがあります。大切なのは、子供に離婚の影響を極力与えない、両親の配慮です。離婚後に、子供が転校しないで、自宅に住まい出来るように、住居に関しては、子供の親権者となる配偶者が取得することが原則です。 ●質問30 「ボランティアに依る福祉有償輸送が白ナンバーでも許可されると聞きましたが、本当ですか?」 医療法人を営んでいますが、これまで介護保険で運賃を徴収せずに、無償サービスで患者の被介護者の家と医院を送迎していました。これからは福祉有償輸送の許可を取得して多少でも運賃を徴収したいと考えていますが、許可申請の代理をして戴けないですか。 ●回答 2004年3月16日に「福祉有償輸送及び過疎地有償輸送に係る道路運送法第80条第1項による許可」のガイドライン通達があり、ここ2年間の重点期間をおいて、全国的に実施されることになりました。これは、地方公共団体が当該地域内の輸送の現状に照らして、タクシー等の公共交通機関によっては移動制約者又は住民等に係る十分な輸送サービスが確保出来ないと認められることを要し、地方公共団体が主宰する「運営協議会」の意見を聞かなければなりません。運送主体は、NPOのほか、社会福祉法人、商工会議所、商工会、医療法人、公益法人等であり、道路運送法第80条の「自家用自動車の有償運送許可」が必要。運送対象者は要介護者、要支援者、身体障害者、その他肢体不自由等により、単独での移動が困難な者であり、福祉車両(特区ではセダンも可)で1種免許を持っていれば、白ナンバーで許可されます。また、運送対価は営利に至らない範囲において設定(タクシーの上限運賃額の概ね二分の1)されていれば良いとされます。本件に関しては、全国的にまだ、運営協議会が立ち上がっていない地域が多く、ニーズは先行していますが、実際の許可申請はこれからの段階です。行政書士は、許可申請の代理人であり、専門家です。社会のニーズを敏感に察知して、依頼者の満足に応えるべく、地方公共団体等に率先して働きかけ、この規制緩和の早期実現を図るよう取り組むべきかと使命感を抱いています。 |
●質問31 「胎児の相続権は法的にはどうなりますか?また、遺産分割協議の際の特別受益や寄与分について教えて下さい。」 ●回答 胎児は出生以前には、人間としての権利能力を持っていませんが、出生後、子孫になることが予定されているため、既に生まれたものとして、相続人に加えます。(民法第886条)死産であれば、最初からいなかったものとして取り扱われます。生まれた後、幼児(未成年者)には、法律行為能力がないので、法定代理人(原則的には、親権者である父母)が代わって法律行為をします。しかし、相続の場合は、親権者も相続人である場合が多く、「利益相反行為」に該当して、代理行為は出来ません。(民法第826条)このときは、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらう必要があります。但し、親権者が事前に相続放棄をすれば、幼児との間で、相続の利益相反行為にはなりませんから、相続に関する代理行為は可能です。 ●被相続人死亡後、遺言なきときは、相続人間の話し合いに依る遺産分割に舞台は変わります。遺産分割は被相続人の死亡又は失踪宣告の後なら、いつでも出来ますが、相続人全員の意思の合致がないと成立しません。 ●相続の承認放棄の考慮期間(3ヶ月)中に分割協議した場合は、単純承認したものと看做され(民法第921条)、債務超過の遺産も相続することになります。 ●相続人の地位に疑義が発生した者を無視してなされた遺産分割協議は、後日、その者が相続人であることが確定すると無効になります。つまり、全員の意思の合致があれば、どのように遺産分割しようと自由です。もし、相続人間で話し合いが纏まらないときは、民法の法定相続分に従い、遺産分割がなされます。 ●特別受益とは、相続人が生前贈与や遺贈を受けていた場合、他の相続人との公平を期するために、その持分を相続分から差し引く制度です。 ■特別受益の具体例(民法第903条)
●寄与分とは、被相続人の生前、その財産の維持又は増加に特別の貢献をした相続人に与えられるものです。遺産分割協議の際、寄与分は相続財産の中に入れないで計算し、分割されます。つまり、寄与分のある相続人は、遺産分割に依る相続分のほかに、寄与分も余計に受け取ることになります。寄与分はあくまで、相続人に与えられるものであり、家業を手伝っていたような長男の嫁には認められません。 ●寄与分を認めるかどうかは、相続人間の協議に依ります。協議不調の時や協議出来ない時は、寄与者から家庭裁判所に「寄与分を定める審判申立」をして、審判で決定します。 ●遺産分割協議書は、一度作成したら、やり直しが出来ません。相続人の数だけ作成し、全員の署名・捺印をして、各自1通保管します。(後日の証拠として、協議内容を残すことが紛争防止に有益です)また、捺印する印鑑は実印を使用し、印鑑証明を添付することが通例です。(相続に依る所有権移転登記の際の添付書類として遺産分割協議書が必要です)万が一、遺産の一部が漏れていた場合、「錯誤に依る分割協議」として、無効を主張出来ることもあります。 ●質問32 「相続財産の総額を算出する場合の評価額はどうなりますか?」 ●回答 遺産分割における遺産総額は→〔各種遺産〕−〔寄与分額〕−〔債務〕+〔相続人に対する生前贈与額〕で算出されます。これに対する相続人の各自相続持分をかけて、相続額を算定します。財産価額の算定が困難な時や相続人間で話し合いがつかない時は、家庭裁判所に遺産分割の申立をします。家庭裁判所では、専門家に鑑定依頼をして、財産価額を示してくれます。 ■一般的な財産評価基準(税務上の評価額とは別)
●質問33 「法定相続人でも相続人になれない場合がありますか?」 相続欠格とか、相続廃除となった場合は相続も遺贈も受けられないのですか? ●回答 相続について犯罪行為をした者は相続権を喪失し、遺贈を受ける権利も失います。但し、その者の子は代襲相続権を持ちます。しかし、相続放棄をした者の子には代襲権はありません。 ■相続欠格となる場合 |