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●質問11 「所有権は時効で消滅することがありますか?」 親の代から、土地建物を引き継ぎ、固定資産税等も支払ってきました。本来なら、兄が相続した土地建物ですが、都会でサラリーマン生活をして、戻れない状況が20年以上も続いています。その家屋敷に居住しながら維持管理や世話など、全て弟の私がしています。土地建物所有権名義は兄になっていますが、亡くなった父親は、生前、田舎に残る私に家屋敷をやると言っていたことも事実です。兄が将来、田舎に戻った時に、この家屋敷を明け渡さないといけないですか? ●回答 時効には権利がなくなる消滅時効と権利を取得する取得時効があります。本件の場合、兄は土地建物の所有権を主張して、弟に明け渡しを迫るでしょうが、弟は、生前の父の言葉を信じて、20年以上平穏公然と家屋敷を占有してきたから、土地建物の所有権は時効で自分が取得したと反論することになります。この質問内容だけで決定的な判断は困難ですが弟の方の主張が法的に有利だと思います。民法162条が法的根拠です。@自分が所有するのだというつもりで、20年間、平穏且つ公然に物を占有してきた場合には、占有者がその物の所有権を取得します。A不動産を占有するにあたり、自分が所有者だと思い、また、そう思うのが無理もない事情にあり、しかも、10年間所有者だと思いながら、平穏且つ公然と占有し続けた場合には、占有者がその不動産の所有権を取得します。
●民法145条 当事者が時効を援用しないと裁判所は時効の事実に基づき、裁判出来ない。
●請求書の時効中断効果 |
●質問12 「国際結婚の手続きと国籍について教えて下さい。」 日本人の男性ですが、外国人の女性と結婚したいのですが、どのような手続きが必要ですか?また、結婚後の国籍はどうなりますか? ●回答 婚姻届は、一般的には両方の国で手続きが必要です。その国の法律に基づき、本人が行うことが基本です。日本国内で先に婚姻届を出す場合と相手の外国人の国で先に婚姻届を出す場合とでは、提出書類や要する時間が異なるようです。いずれにせよ、その国の法律に違いがありますから、婚姻する際に当事者の国の法律や手続き内容を該当の大使館等に問い合わせすることをお勧めします。(国内であれば、最寄の市町村役場で必要書類等の確認をして下さい。) 一例ですが、男性が日本人、相手の女性がインドネシア人(イスラム教徒)の場合の一般的な手続きを紹介します。(あくまでも参考程度) 男性が日本国内で婚姻届を出す場合には、居住地の市役所等に対し、在日インドネシア大使館(又は領事館)発行の「婚姻要件具備証明書」を受け入れて貰えるか否か確認する必要があります。この場合の「婚姻要件具備証明書」とは、簡単に言えば、その国の法律で結婚しても支障がないと言う証明書です。 ■大使館(又は領事館)で婚姻要件具備証明書を発行して貰う際の必要書類は、以下の通りです。
●以上の書類を持って、大使館(又は領事館)に行き婚姻要件具備証明書を発行してもらいます。 ●この婚姻要件具備証明書と婚姻届及び役所指定の書類(インドネシア女性の出生証明書とその日本語訳、パスポート、外国人登録証及び日本人男性の戸籍謄本)を持って、最寄の市役所等に提出します。一応受理されると「婚姻届受理証明書」が発行されます。(後から、法務省から呼び出しを受ける場合があります)また、役所指定の書類は、それぞれの自治体により、相違がありますから事前に確認が必要です。 ●次に「婚姻届受理証明書」及び「当事者2名で写っている写真」を持って、大使館(又は領事館)に行き、「Surat Keterangan Menikah」(Acceptance Certifcate Marriage)を発行して貰います。 ●この書類を持参して、インドネシアの宗教事務所又は民事登記所に提出すると、「Akte p erkwinan」(婚姻証書)が発行されます。(これで婚姻手続き終了)また、市役所等で婚姻届受理証明書を貰って大使館を経由しない場合は、直接、インドネシアのKUA又はCatatan Sipilでも婚姻手続きが可能です。この場合は、それ相当の事情説明が必要です。 ●その他、イスラム教の場合は、宗教を重んじますので、インドネシアに住む場合は、改宗の問題があります。 ●国籍に関して、この場合は、日本人男性がインドネシア女性と日本国内に住む場合ですが、男性は日本国籍のままですが、相手の女性は外国人登録されたままで、婚姻してもすぐに日本国籍を持つことは出来ません。日本人男性の配偶者になったことで、「在留資格」を持つことが出来て、日本に居住することが可能です。将来的に「永住権」を取得すれば、「在留資格更新」が不要になり、「帰化」すれば、初めて「日本国籍」が取得できます。また、二人の間に生まれた子(嫡出子)の国籍は、父母どちらかが、日本国民であれば、日本国籍を持つことが出来ます。外国の準拠法にも依りますが、一般的には、父母どちらかの国籍を選択することになります。米国の場合は、領土内で出生した子供には、自動的に米国国籍が与えられます。日本の場合は、日本国内で出生したから言って、自動的に日本国籍が与えられることはありません。 |
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●質問13 「行政書士の契約書作成代理権とは?」 依頼人から売買に関する契約行為を行政書士に委任したいのですが、どの範囲まで任せられますか? ●回答 行政書士法第1条の3第2項で「行政書士は他人の依頼を受け報酬を得て、行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成することができる。」との文言に示す通り、「契約書類作成の代理権」が認められています。この代理権取得に依り、民事法的書類(売買・貸借・抵当権設定・請負・雇用・示談書・和解書・念書・覚書・内容証明郵便の請求書・遺産分割協議書等)の「契約締結」を依頼者の「委任契約(委任状)」に基づき、「代理」して行うことが出来ます。委任の範囲は、依頼者の相手方と「契約内容について協議、交渉」して、その「合意内容を契約書にまとめる」等、「契約書面締結に至るまでの一切の法律行為」が可能です。但し、当事者間で訴訟提起するような事件は、行政書士が直接相手方と交渉することは出来ません。(弁護士法72条の非弁活動禁止)例えば、「遺産分割協議」に際して、行政書士は複数当事者の代理を務めて、助言説得を含めて相続人間の合意形成をリードし、その合意内容を「遺産分割協議書」にまとめ上げ、作成することも出来ます。この代理は民法第108条の「双方代理禁止」に抵触しない有効なものと解釈されています。この他に、「交通事故の合意示談書作成」も行政書士の「合法的な契約締結代理業務」として言えます。このように「調停・訴訟の因をなす紛争状態」であれば、行政書士は代理介入出来ませんが、「事前に法律トラブルを回避・予防する最善の策」として、当事者を代理して、「契約書の作成・交渉・締結・その後のコンサル」まで、行政書士が責任を持ってお手伝い出来ます。このことが、「行政書士は予防法務の専門家」だと言われる所以です。 |
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●質問14 「悪質サイトや携帯メールで、うっかり登録ボタンをクリックしてしまった。」 携帯電話に届いた「完全無料」の広告を見て、出会い系サイトに登録しました。その後、登録料4万円を請求され、驚いて、その規約を読むと「利用料は無料。登録料4万円」と表示されていました。初めから、有料だと分っていれば登録しなかったのに。どう対処したらよいですか? ●回答 「電子消費者契約法」(平成13年12月25日施行)に依ると、事業者と消費者間の電子契約において、「無料」画面だと思いクリックしたら、実は「有料」で代金を請求された場合等、操作ミスや錯誤(勘違い)があったときは、その契約は原則として無効です。 最初から契約は成立していませんから、請求があっても料金を支払う必要はありません。事業者は消費者が「申込みボタン」を押すことイコール「有料」であることをボタンを押す前に分りやすく明示しなければなりません。また、「申込みボタン」を押した後に、必ず、消費者が入力した「申込み内容」を一度、確認させるための画面を用意する必要があります。更に、注文・申込みがあった場合、「申込み承諾」の連絡をし、且つそれが申込み者に届かないと法律上は契約成立していません。(到達主義) ■注意事項
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●質問15 「不倫の慰謝料金額の相場はあるの?」 ●回答 夫婦はお互いに貞操を守る義務があります。夫婦の一方が他人と不貞行為(不倫)を行うと、貞操義務に違反する行為(不法行為)になります。不貞行為は離婚原因になり、不貞を働いた夫又は妻に離婚請求できます。また、夫婦の一方と不貞行為(不倫)をした者は、その夫婦の残った一方(配偶者)に対し、共同不法行為をしたことになり、損害賠償の義務が発生します。(最高裁判例 昭和34年)この場合の損害賠償は精神的損害に対するもので、「慰謝料」と言われます。また、その浮気相手に対しては、相手の方から誘惑したり、その貞操義務違反に積極的に加担した場合に限り、損害賠償の責任を問えるとする学説が強くなってきています。一方、慰謝料の相場は、50万円から300万円だと言われますが、精神的損害の賠償故、財産上の損害と違い、算定につき、明確な基準はありません。(ケース・バイ・ケース)最後の判断は、社会通念と裁判官の良識に依ることになります。但し、慰謝料算定の際に、考慮する条件は、次のようになります。(1)夫婦の離婚 (2)不倫期間 (3)不倫の程度 (4)妊娠の有無 (5)どちらが主導的(積極的)であったか等。 ●夫が不倫関係において、主導的・積極的であった場合、その妻から夫の不倫相手に対する慰謝料請求は低額にすべきだとして、請求額を減額し、150万円にした判例があります。 ●子供から不倫相手への慰謝料請求については、判例は認めていません。 ●不倫相手だけでなく、不倫をした配偶者(夫又は妻)に対しても、慰謝料請求が出来ます。 ●離婚しなくても、不倫相手に慰謝料請求が出来ます。離婚した場合の方が慰謝料は高額になる傾向にあります。 ●肉体関係がない場合は、不貞行為(不倫)を理由とした慰謝料請求は難しい。(ただ単に二人で逢っているだけの行為) ●不倫相手も既婚者である場合(ダブル不倫)、こちらから不倫相手に慰謝料請求しても、不倫相手の配偶者からは、本人の配偶者に慰謝料請求されます。但し、相殺は出来ません。 |
| ●質問16 「お金の貸し借りの契約内容を公正証書にしたら、どんな効果がありますか?」 友人に300万円を貸すことにしたのですが、口頭やメモ程度の契約では不安なので公的に証拠力を持つ、強制力のある公正証書にしたいと思っています。その効果と手続き等教えて下さい。 ●回答 お金の貸し借りを内容とした契約を法律的には、「金銭消費貸借契約」と言います。勿論、「契約自由の原則」に基づき、強行法規・違法行為・公序良俗等に反しない内容の契約行為であれば、口頭でもメモ程度の契約書面でも有効です。契約の方式・締結の仕方等は当事者の自由です。しかし、一般的に金銭消費貸借契約は、返済期間や返済方法等、重要項目が含まれていますので、私人間の契約書(私製証書)では、後々のトラブル発生・証拠能力・強制力等の点で十分であるとは言えません。借主が約束の期日になっても返済してくれなかった(債務不履行)時にも、法的に強制力を持たせ、いざと云う場合に借主の動産・預貯金・不動産等に対して強制執行する手段を確保出来るのが「公正証書」です。手続きの方法は、借主と貸主(当事者)又は、代理人が公証役場に出頭し、公証人の面前で公正証書にすべき内容を陳述します。作成までに時間がかかりますので、予め公正証書にすべき内容を起案して公証人と打ち合わせしておくことをお勧めします。行政書士は、依頼人の代理人として、その起案文を法的に間違いのないように作成する「法律専門家」です。当事者の一方の代理人として、公証役場に出頭して手続きを円滑に進めることが出来ます。尚、公正証書作成手数料は「目的価額」に依り、異なります。本件は300万円なので、「500万円まで11000円」になります。(行政書士の報酬料は別途)このように公正証書は、「後日契約締結の事実を確実に且つ容易に立証出来る、比較的安価で、しかも安全確実な公文書」と言えます。 ●「公正証書」とは、国家機関である「公証人」が依頼者の依頼に依り、その契約内容を聞いて、作成する書類を言います。公証人法では、作成を公証人に依頼することを「嘱託」と呼び、公正証書の作成を依頼する人を「嘱託人」と言います。 ●金銭債権(その他、一定数量の代替物、有価証券に依る一定数量の給付等)に関して、公正証書の文中に「強制執行しても結構です」と言う趣旨の文言(執行認諾約款)があれば、その公正証書に基づき、(裁判所に持ち込まなくても)強制執行が可能です。 強制執行は、国の力を借りて行うもので、私的行為では為し得ません。裁判の判決や裁判上の和解等でも当然、執行の根拠がありますが、裁判所だけに頼ることは、処理件数の多さに対応した迅速性と処理能力に限界があるものと思われます。公正証書は、それを補完する公的機関(公証人)に強制執行を関与させる意味合いがあります。 ●公正証書が比較的多く利用される法律行為(契約)の紹介 債務確認(弁済契約)・消費貸借・賃貸借・保証委託・遺言・離婚給付・必ずしも金銭の支払いを目的としない法律行為にも公正証書が重宝されます。 ■公正証書の効果 1、証拠としての効力 公証人がその職務上作成したものと認められるときは、真正に成立した公正証書と推定されます。(民事訴訟法228条2項)(形式的証拠力) また、公的機関の公証人が当事者の申立てを録取して作成した文書(公文書)は私人の作成した文書に比べて、はるかに高度な「信憑性」を持っていると認められる。(実質的証拠力) 2、債務名義としての効力 「債務名義」とは、強制執行をすることが認められる文書を指します。公証人の作成する公正証書の中で、「一定の金額の支払い又はその他の代替物若しくは有価証券の給付を目的とする特定の請求」については、直ちに強制執行することが出来ます。(民事執行法第22条5号) 3、心理的圧力としての効力 公正証書には、優れた証拠力があり、且つ金銭支払いについて執行認諾約款があれば、直ちに強制執行が出来ることから債務者に対して「履行しなさいと言う無言の圧力」がかかります。事実上の心理的圧力を上手く活用することで、「紛争を回避する予防法務」に役立つ手段とも言えます。 ■金銭支払いを目的とする公正証書に執行認諾約款の付されたものを「執行証書」と言います。 「その執行証書作成の注意事項」 1、執行認諾約款を絶対に忘れないこと 2、記載された債務が特定されていること 「債権者と債務者間の100万円の債務」だけでは、特定されたことにならない。 具体的な債務の記載が必要であり、他の債務と区別出来て、その同一性が認識出来る程度の記載でよいとされています。 3、給付すべき金額が一定であること 債務名義に記載された債権額が明確でないと執行機関は強制執行出来ません。 利息・遅延損害金の場合は、元本さえ決定していれば、一定の率で計算可能なので、その記載が公正証書の中で明確になっていればよい。 4、将来の債権は執行証書とすることは出来ない 但し、一定の期限が到来したときに請求出来る債権であれば、将来の債権ではないとされます。 ■公正証書作成時に用意する必要書類 1、自分を証明するもの 印鑑証明書、運転免許書・外国人登録証・パスポート等 2、印鑑(実印) 3、当事者が法人の場合は代表者の資格証明書、又は商業登記簿謄本 4、委任状と委任者の印鑑証明 公正証書を代理人に依って作成するときは、委任状と委任者の印鑑証明書及び代理人の印鑑証明書・実印又は運転免許証と認印が必要 ●金銭支払いを目的としない契約内容を公正証書にする場合も、「強い証拠力を持つ証拠としての価値」が認められます。例えば、登記のない担保権であっても、公正証書が組まれてあれば、「公正証書の謄本」に基づき、「不動産競売の申立て」が認められています。(民事執行法181条1項2号)また、遺言の場合も、普通の遺言は家庭裁判所に提出して、遺言方式等の遺言書の状態を確認し、明確にする手続き(検認手続き)が必要ですが、公正証書遺言はその手続きが不要です。「権利の実現と紛争予防」の観点から、公正証書は有効な公文書と言えます。 ■その他の公証方法 1、認証 公文書以外の私人が作った証書(私署・私製証書)の「署名(記名押印を含む)が、本人のものに間違いない」ことを公証人に証明してもらう方法。外国語で書かれた文書も認証出来ます。 2、宣誓認証 後日、裁判等の証拠にしたりする重要事項等に関し、その証書の署名・捺印者がその証書に書かれている内容が真実であることを宣誓した上で、証書に署名又は捺印して認証を受け、「その文書の真実性を担保する」方法。持参書類として、認証を受ける書面(原本2通)・署名者本人の印鑑証明書1通(法人の場合は、代表者の印鑑証明書・資格証明書) 3、確定日付 その確定日付を受けた日に、「その証書が存在した」ことが証明されます。確定日付を受ける証書を持っていくだけで受けられます。 ●法律で公正証書に依り契約することが義務付けられているもの 事業用借地権設定契約・任意後見契約等は、公正証書でなければ、その契約効果は認められません。 ●質問17 「ネットオークションでチケット購入しましたが、注文したものと違います。取消は出来ますか?」 インターネットオークションサイトで、有名コンサートのS席のチケットを落札し、3万円の代金を前払いしました。その後、出品者(販売業者)から何の連絡もなくチケットが届かず、催促したら、S席ではなく、A席のチケットが来ました。チケットの交換が出来ないのなら、取消して代金を返還して欲しいのですが、どうしたらよいですか? ●回答 最近、ネットオークションが流行していますが、そのトラブルも急増しています。一般的には、「出品者と落札者が双方とも個人であり、営利を目的にしない場合」と「販売業者が出品者となり、営利を目的にして消費者に商品等を販売する場合」があります。後者の場合は、「ネットを利用して商品等を売買する取引(電子商取引)」も「通信販売」の一種に該当しますので、特定商取引法が政令指定する商品や権利、サービス提供の取引を行うときは、この法律が義務付ける規定を守りながら事業を行う必要があります。 本件に関しては、出品者が販売業者であることからして、特定商取引法の規制を受けます。前払い方式でチケットを販売するときは、販売業者は「特定商取引法の定める書面の交付をしたり、電磁的記録を提供することに依り、契約成立の有無やその内容を通知する義務があります」(特定商取引法13条) しかも、オークションでは、落札者とS席のチケットについて「売買契約」が成立しています。販売業者がA席のチケットを引き渡した(届けた)のであれば、「債務不履行」(約束の期日に遅れたのであれば、履行遅滞或いは、不完全履行)になります。また、最初から、S席のチケットを販売出来ないのに、恰もS席チケットを販売するかのように表示して落札者を勧誘している行為は、「消費者契約法」の「不実の告知」に該当する可能性があります。(消費者契約法4条1項1号)つまり、本件の場合は、出品者が販売業者であることから、広告規制違反・書面交付義務違反等の特定商取引法違反があり、行政処分を受ける対象になります。また、書面交付義務違反は、刑事罰制裁(100万円以下の罰金)を受けます。(特定商取引法72条)また、チケット購入者(落札者)は消費者契約法の不実告知の理由で「契約を解除(取消)して代金の返還や損害賠償を請求する」ことが可能です。勿論、販売業者がチケットを交換してS席のチケットを期日に間に合うように落札者に送ることが可能であれば、現にチケットの引き渡しが遅れたことに対する損害があれば、その損害補填をして、チケットの交換をして債務を履行することが可能です。一方、個人間で営利を目的としない取引の場合は、特定商取引法の適用はありません。契約内容や民法の規定に従い、法的な対処がなされます。いずれの場合も出品者の住所・氏名等が特定されていれば、「内容証明郵便」で「契約取消の意思表示」をすることをお勧めします。 |
| ●質問18 「街でキャッチセールスに遭い、英会話教室の受講契約をしてしまったが、契約は解除出来ますか?」 街角で言葉巧みに呼び止められ、つい契約申込の書類にサインしてしまいした。英会話教室には関心があったけれど、後から受講料が20万円と聞かされ、「自分の思い」と違いました。契約申込を解除したいのですが、可能ですか? ●回答 一般的に「キャッチセールスとは、街中で言葉巧みに人を呼び止めて、喫茶店や事務所等に連れて行き、本来の目的を隠して、そこで物を販売したり、英会話教室や各種講座の受講契約をさせる等、悪質商法のひとつです」セールス内容は、モデル・英会話教室等の研修講座の受講、化粧品・健康食品の販売、映画鑑賞会の会員資格の勧誘、エステサロンの勧誘等、最近は新種の販売・勧誘手段も目に付くようになりました。被害者の多くは、比較的若い女性です。 本件の場合、契約者が成年に達していれば、「特定商取引法」(英会話教室は、特定継続的役務提供に当たる)の適用で「クーリングオフ」出来ます。「受講契約書」の控えを貰った日を含めて8日以内に「解除通知」を「内容証明郵便」で契約相手先に通知します。契約者からの一方的な通知を出すだけで契約は解除されます。(発信主義)これに依り、契約は最初からなかったことになり、受講料の20万円を支払う義務はありません。受講料支払いに関して、別に「クレジット契約」を取交していれば、同時に、そのクレジット会社に対しても、「解除通知」を内容証明郵便で出すことが必要です。受講契約書面の交付を最初から貰っていないときは、8日にかかわらず、いつでも契約を解除出来ます。 一方、契約者が未成年の場合、受講料の20万円を支払う契約行為については、法定代理人(親権者、通常は両親)の同意が必要です。親権者が契約相手先に対して、「未成年者取消権」を行使して、受講契約を取消すことも可能です。また、クーリングオフの期間を過ぎてしまっていた場合でも、「消費者契約法」第4条1項1号の「不実告知」に該当したり、或いは、同条2項の「不利益事実の不告知」に該当して、契約の取消が可能です。その他、「勘違い」に依る契約は、「動機の錯誤」に当たり、無効を主張出来ます。契約相手先が、明らかに騙したのであれば、「詐欺」に該当し、契約を取消すことも出来ます。いずれにしても、黙認しないで、「受講契約」を解除して、受講料の支払いを拒絶すべきかと思います。 ●質問19 「刑事告訴と刑事告発及び被害届の違いは何ですか?」 刑事犯罪が確実であり、相手を告訴したいと思っていますが、告訴、告発及び被害届の法的な違いを教えて下さい。 ●回答 刑事告訴は、犯罪の直接の被害者が、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求めることを言います。(刑事訴訟法230条)一方、刑事告発は、犯罪があると思えば、被害者でなくても誰でも、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求めることを言います。(刑事訴訟法239条)また、被害届は、法律の規定はなく、警察署に対し、犯罪事実の申告を提出するだけで、処罰を求める内容ではありません。 ●告訴は、代理人に依頼することも可能です。また、被害者の法定代理人、更に被害者死亡のとき一定の親族にも告訴権があります。被害者が未成年や成年被後見人等、制限能力者である場合、その保護のため、親権者や後見人等の法定代理人は被害者が告訴権を失った後でも、被害者のために告訴することが出来ます。更に、被害者が告訴しないで死亡した場合、被害者の配偶者、父母等の直系親族、兄弟姉妹は告訴することが出来ます。(但し、生前、被害者が告訴しない意思が明確であったときは除く) ●行政書士は、権利義務又事実証明に関するの書類作成の法律専門家です。被害者の委任契約に基づき、相談から告訴状・告発状の作成・提出の代理に至るまでの行為を業として為すことが出来ます。 ●告訴・告発が行われると、捜査が開始される可能性が出てきます。(刑事訴訟法189条第2項)司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯罪の逃亡を防止して、身柄を確保するとともに証拠を収集し、刑事裁判のための準備をする。 ●告訴・告発の手続きは、口頭又は書面に依り、検察官、司法警察員(警察官)に対し行います。特定の犯罪事実について、「犯人の処罰を求める意思」と告訴人又は告発人が「誰であるか」を明らかにして行う必要があります。(厳格な書式は規定されていませんが、犯罪が特定出来る「具体的な告訴事実」と「処罰を求める文言」が必要) ●親告罪の告訴期間は、犯人を知った日から6ヶ月以内です。但し、強制わいせつ・強姦・準強制わいせつ・準強姦・営利目的等略取・誘拐等の告訴には期間の制限はありません。 ●告訴・告発が口頭でなされたときは、検察官、司法警察員は「調書」を作成しなければならない。 ●告訴・告発状の提出先は、特別の制約はありません。検察庁、警察署どちらでも構いません。通常は、被害者の最寄の警察署に提出します。 ●提出された告訴・告発が司法警察官に受理されると、速やかに書類、証拠物を検察官に送付(書類送検)して、検察官の指揮を待たなければなりません。(刑事訴訟法242条) ●告訴・告発した場合でも、事件に依り、受理されないことがあります。違法なヤミ金業者等の告訴・告発は、一旦預かり、告訴状のコピーをして返却される場合もあります。しかし、自らの権利は、厳正な処罰意思を持って、泣き寝入りしないことが肝要です。 ●質問20 「動物専用のホテルでペットが皮膚病に感染した場合の治療費請求は?」 ペットを五日間、有償で預かって貰いましたが、皮膚病に感染して、獣医にかかってしまいました。ホテル側に責任を追及して、その治療費は請求出来ますか? ●回答 ペットを預かる行為は、法律的には「寄託契約」に該当します。(民法657条以下)寄託契約は、当事者(預ける方を寄託者・預かる方を受寄者と云う)の一方が相手方のために保管をなすことを約して、その物を受取ることに依り、効力を生じます。(要物契約)原則的には、無償契約ですが、本件の様に業として為す行為は報酬の支払いを特約出来ます。有償寄託の場合、受寄者であるホテルは、ペットの保管について、自己占有の下で滅失・毀損を防ぎ、預かった時の状態を維持する義務があります。つまり、そのペットを寄託者に引き渡すまで、「善良な管理者の注意」を持って、保存することが義務付けられます。(善管注意義務)平成11年改正の動物保護法では、ペットホテル経営者に対して、「保管のための施設を設置して動物取扱業を営む者」として規制がなされ、都道府県知事への届出、総理府令や条例の定める基準遵守が義務付けられました。違反行為に対する罰則規定もあります。本件の場合、ホテル側がペットを預かる者として、「善管注意義務」を尽くしたか否かが論点です。 |
●質問21 「度重なるつきまとい行為に対する法的措置はありますか?」 以前交際していた男性から、「つきまといや待ち伏せ、無言電話等」で嫌がらせを受けています。毎日が不安で精神的にかなりまいっています。ストーカー行為を中止させるよう、法的に対処出来ないでしょうか? ●回答 特定の相手への恋愛感情や好意の感情(満たされない怨恨感情を含む)を充足させる目的で、その相手や配偶者、一定の親族に「つきまとい等の行為を繰り返す者」は「ストーカー」と云われます。「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(ストーカー行為等規制法)第3条で「何人も、つきまとい等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせる行為」は禁止されています。この法律に依り、ストーカー行為を処罰し、規制することの他に、被害者に対する援助措置(必要に応じて身辺保護もしてくれる)も講ずることが可能になりました。 ●被害者から告訴があれば、刑事手続きに依り処罰が可能です。被害者からの申立てを受けて、警察や公安委員会が「警告」や「禁止命令」を出すことも出来ます。 ●質問22 「婚約破棄の場合の慰謝料請求は?」 独身同士の二人が知り合って一年になりますが、親しくなり、5、6回の肉体関係を結び、その後、彼女が妊娠したことが分り、そのことが理由で二人の関係は冷めてきました。最初の頃は、「親の反対があっても、一緒になろう」と言葉上では、言ったことがありますが、真面目に将来の結婚を約束したつもりはありませんでした。彼女の方は、「正当な理由もなく、婚約を破棄されたとの理由」で慰謝料を請求しましたが、認められますか? ●回答 婚約とは、法的に言えば「婚姻予約」のことです。「誠意を持って将来、夫婦になることを約束する、当事者間の契約」です。その成立は、当事者間の「婚姻しよう」と云う「誠意ある意思表示の合致」が必要です。 ●質問23 「未成年者が生んだ子供の親権は誰にありますか?」 大学一年生の娘が同級生の男性と同棲して、その結果、子供を出産しました。この場合の親権は誰にありますか? ●回答 民法818条第1項の規定に依り、「成年に達しない子は、父母の親権に服する」ことになります。娘さんは、「親権に服する」身分であり、子供の親権者たる資格はありません。同棲の相手(男性)が成年に達していれば、自ら親権者になれますが、子供を認知して貰わなければなりません。仮に、この男性が未成年の場合、娘さんと「未成年の婚姻」手続きをして、法律上の夫婦にしてやることも考えられます。 ●質問24 「サラ金業者の悪質な取立てに対処する方法はありますか?」 複数のサラ金業者から借金しているため、返済が滞りがちです。そのために催促の電話がひっきりなしにかかり、夜中にも督促の電報が来たりして、家族もノイローゼ気味です。法的な対処方法はないですか? ●回答 貸金業規制法21条の規定で、貸金業者は「債権の取立てをするに当たって、人を威迫し、又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動に依り、その者を困惑させてはならない」と定められています。この規定に違反すると、業者は1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処せられます。また、業務停止又は、登録取消等の行政処分の対象になります。その他、「貸金業規制法に関する金融庁の事務ガイドライン」では、次の行為が禁止されています。 ●質問25 「サラ金業者に余分に支払った利息の取り扱いはどうなるの?」 6年前にサラ金業者から50万円を年40・004%(日歩0・96銭)の条件で借入れて、毎月利息を支払っています。「利息制限法」と云う法律に依れば、支払い過ぎた利息は元本に充当出来ると聞き、その業者に主張したところ、「みなし弁済規定」に依り、この場合、利息制限法は適用されないと言われました。利息は毎月末に銀行振り込みしていますが、その業者からは一度も領収書は貰っていません。正しい法律的見解を教えて下さい。 ●回答 利息制限法に依れば、元本が10万円未満の場合、年20%、10万円以上100万円未満の場合、年18%、100万円以上の場合、年15%の利率になります。これを超過する利息は、超過部分につき無効です。(利息制限法1条)また、遅延損害金の約定は、この制限利率の1・46倍迄の定めは有効ですが、これを超えるときは、超過部分について、無効です。(利息制限法第4条)最高裁判決に依ると、利息制限法の制限利率を超過する部分は元本に充当され、その元本が完済になった後の過払金は、返還請求出来ます。また、「みなし弁済規定」が適用されるためには、貸金業規制法第43条に定める多くの要件を全て充足していないと認められません。 |
●質問26 「未公表の企業秘密やコンピュータソフト等の著作権の存在を公的に主張する方法は?」 まだ世の中に出回っていない、希少性の高い機密ソフトを開発しましたが、今後、他社に売り込みたいと考えています。盗用等を防御し、公的に著作権の存在事実を証明する方法はありますか? ●回答 現行の法律では、著作権保護の為の完璧な方策は、残念ながら、十分ではありません。必要且つ十分な保護制度がない以上、著作者(創作者)が自ら、保護対策を講ずるしかありません。著作権は、創作した時点で権利が発生します。(無方式主義)その権利を対外的取引に主張したり、存在の証明をすることは、「知的財産の保全・対抗策」にも有効だと思われます。 「未公表の著作物」であれば、「著作権の存在事実証明」を著作者(創作者)に代わり、行政書士が代理手続きをいたします。行政書士法第1条2の「事実証明業務」に基づき、「著作物の存在」を確認し、その確認した事実を記載した書面即ち、「存在事実証明書」で「著作物を封印」し、「公証人の確定日付」を得て、その著作物(創作物)を「証明物」として保管するものです。(正本1部を著作者に、副本1部を証明者が保持します) つまり、この確定日付があることで、「著作物の存在事実証明書」が、その日に、その著作者(創作者)の手元に確実にあったことが証明されます。後日の紛争予防やトラブル回避、取引の安全には効果的な方策だと考えられます。 ●当事務所で代理作成する「著作物の存在事実証明」は、財団法人日本著作権機構の許諾を受けた正当な業務です。作成する「存在事実証明書」には、財団法人日本著作権機構の許諾番号(Copy Trust-G420)を付与します。 ◆財団法人 日本著作権機構(JCA) http://jca.net-b.co.jp/ ●「未公表の著作物」として、想定されるものの例 コンピュータソフト・オリジナルプログラム・各種データベース・企業秘密・事業計画書・重要書類・重要報告書・機密ノウハウデータ・設計図面・マニュアル・取扱説明書・顧客名簿・企画書・ゲームソフト・キャラクター・HP・作詞作曲・イラスト・グラフィックデザイン・絵画・写真・作文・論文・コラム・俳句・川柳・小説等 ●知的財産の権利保全は、今後益々、重要性を帯びてきます。自らの権利は、自らが責任を持って守るしか手立てはありません。特に、ベンチャーで起業を志す方には、オリジナルなソフトや技術の保全は死活に関わる生命線です。その保全対抗手段のひとつとして、「著作権の存在事実証明」をお勧めします。 ●行政書士北村國博は、日本行政書士会連合会研修センター主催の「著作権研修会」を受講し、その全ての科目を修了した正式な「著作権相談員」(著作権コンサルタント)です。法に基づく守秘義務を万全にして、著作権全般に関して、信頼と責任ある業務を行います。 |
●質問27 「外国人の日本国籍取得の帰化手続きは?」 日本人男性と再婚して、日本に住所を有して5年になります。同居の夫の両親も理解があり、前の夫との間に生まれた子供を本国から呼び寄せて、現在一緒に暮らしていますが、この際、子供と一緒に帰化したいと思います。手続きはどうしたらよいですか? ●回答 外国人が日本国籍取得の帰化手続きをするためには、国籍法に準拠して帰化条件を備えているか?チェックしてみる必要があります。「普通帰化」の居住条件は引き続き「5年以上」、日本に「住所」を有することになっていますが、日本人と婚姻している場合は、帰化条件が緩やかになり、「3年以上」、日本に「住所若しくは居所」があれば、帰化申請は可能です。また、帰化申請は、世帯単位で受付られますので、本国から呼び寄せた子供が本国法で「未成年」の時に現在の父親と「養子縁組」が成され、日本での生活が1年以上経過していれば、子供の居住条件も満たしています。もし、養子縁組が成されていない場合でも、母親が日本人になりたいと決心している状況から、国籍法8条を適用して帰化申請が可能です。 ● 普通帰化の基本条件(一般的な外国人が帰化する場合) 国籍法第4条 日本国民でない者は、帰化に依って日本の国籍を取得することが出来る。 (1) 帰化をするためには、法務大臣の許可を得なければならない。 国籍法第5条 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、帰化を許可することは出来ない。 (1) 居住条件 引き続き5年以上日本に住所を有すること (2) 能力条件 20歳以上で本国法に依り、能力を有すること (3) 素行条件 素行が善良であること (4) 生計条件 自己又は生計を一つにする配偶者その他の親族の資産又は技能に依って生計を営むことが出来ること (5) 国籍を有せず、又は日本国籍取得に依って、その国籍を失うべきこと (6) 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て若しくは主張する政党その他団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと ● 簡易帰化の基本条件(日本人の子供や日本人配偶者等日本人と一定の関係がある場合) ● 帰化申請の必要書類(法務局担当窓口で説明を受ける) ●質問28 「マルチ商法の契約解除の方法は?」 ウェブ上でホームページの開設希望者を獲得したら、多額のボーナスが得られると云う広告を見て、一口5万円の加入金を支払いました。考え直した挙句、申込を解除したいと思いますが、どうしたら良いですか? ●回答 このような取引は、「マルチ商法」と呼ばれ、特定商取引法上の連鎖販売取引に該当します。勧誘時に、「契約の概要書」を受け取り、契約時には法定事項が記載された「契約書」の交付が義務付けられています。(特商法37条1項・2項) もし、契約書の交付がない場合や法定事項の欠如した契約書を交付された場合には、いつでもクーリング・オフに依り、「契約解除」が可能です。また、契約書を受領した日を含め20日以内であれば、クーリング・オフに依り、契約解除が出来ます。(特商法40条)内容証明郵便で「解除の意思表示」を相手方に通知すれば、一方的に法的解除が出来ます。(内容証明郵便の配達証明付きにすれば、通知した日付が明確になり、公的な証拠になります)マルチ商法で注意すべきは、商品や役務の売買が形だけのものであれば、その実態は「ねずみ講」と同じであり、「無限連鎖防止法」が適用されることもあります。その他、「詐欺行為」や「公序良俗違反」「不法行為」に該当するケースも有り得ますので、十分に注意検討が必要です。本件のようなウェブ上のトラブルでは、結果が起きた時、相手方の住所・氏名の特定が困難な場合が多いので、予め、相手方を特定する慎重さが必要です。もし、曖昧な住所・氏名等であれば、最初から契約の申込はしないことです。 ●質問29 「離婚後、子供の養育のために、今の自宅に住み続ける方法は?」 夫との離婚を考えていますが、自宅を出ると、住む場所がありません。せめて、子供が成人するまでは、自宅に住めるようにしたいですが、何か方法はありますか? ●回答 あくまで、夫との交渉になりますが、自宅に居住するための「賃借権」の設定を承諾してもらいます。自宅の所有権名義が夫であれば、離婚給付条件として、財産分与で自宅の所有権を譲渡してもらうよう交渉出来ます。どうしても、このような交渉が困難な場合は、調停又は裁判で決着することになります。自宅取得が難しいときは、夫に対し、対価を支払って所有権取得することも考えられます。判例上、対価支払いも困難な場合、子供が成人するまでの期間、夫と自宅の賃貸借契約又は、使用貸借契約を結ぶことを認めたケースがあります。大切なのは、子供に離婚の影響を極力与えない、両親の配慮です。離婚後に、子供が転校しないで、自宅に住まい出来るように、住居に関しては、子供の親権者となる配偶者が取得することが原則です。 ●質問30 「ボランティアに依る福祉有償輸送が白ナンバーでも許可されると聞きましたが、本当ですか?」 医療法人を営んでいますが、これまで介護保険で運賃を徴収せずに、無償サービスで患者の被介護者の家と医院を送迎していました。これからは福祉有償輸送の許可を取得して多少でも運賃を徴収したいと考えていますが、許可申請の代理をして戴けないですか。 ●回答 2004年3月16日に「福祉有償輸送及び過疎地有償輸送に係る道路運送法第80条第1項による許可」のガイドライン通達があり、ここ2年間の重点期間をおいて、全国的に実施されることになりました。これは、地方公共団体が当該地域内の輸送の現状に照らして、タクシー等の公共交通機関によっては移動制約者又は住民等に係る十分な輸送サービスが確保出来ないと認められることを要し、地方公共団体が主宰する「運営協議会」の意見を聞かなければなりません。運送主体は、NPOのほか、社会福祉法人、商工会議所、商工会、医療法人、公益法人等であり、道路運送法第80条の「自家用自動車の有償運送許可」が必要。運送対象者は要介護者、要支援者、身体障害者、その他肢体不自由等により、単独での移動が困難な者であり、福祉車両(特区ではセダンも可)で1種免許を持っていれば、白ナンバーで許可されます。また、運送対価は営利に至らない範囲において設定(タクシーの上限運賃額の概ね二分の1)されていれば良いとされます。本件に関しては、全国的にまだ、運営協議会が立ち上がっていない地域が多く、ニーズは先行していますが、実際の許可申請はこれからの段階です。行政書士は、許可申請の代理人であり、専門家です。社会のニーズを敏感に察知して、依頼者の満足に応えるべく、地方公共団体等に率先して働きかけ、この規制緩和の早期実現を図るよう取り組むべきかと使命感を抱いています。 |
●質問31 「胎児の相続権は法的にはどうなりますか?また、遺産分割協議の際の特別受益や寄与分について教えて下さい。」 ●回答 胎児は出生以前には、人間としての権利能力を持っていませんが、出生後、子孫になることが予定されているため、既に生まれたものとして、相続人に加えます。(民法第886条)死産であれば、最初からいなかったものとして取り扱われます。生まれた後、幼児(未成年者)には、法律行為能力がないので、法定代理人(原則的には、親権者である父母)が代わって法律行為をします。しかし、相続の場合は、親権者も相続人である場合が多く、「利益相反行為」に該当して、代理行為は出来ません。(民法第826条)このときは、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらう必要があります。但し、親権者が事前に相続放棄をすれば、幼児との間で、相続の利益相反行為にはなりませんから、相続に関する代理行為は可能です。 ●被相続人死亡後、遺言なきときは、相続人間の話し合いに依る遺産分割に舞台は変わります。遺産分割は被相続人の死亡又は失踪宣告の後なら、いつでも出来ますが、相続人全員の意思の合致がないと成立しません。 ●相続の承認放棄の考慮期間(3ヶ月)中に分割協議した場合は、単純承認したものと看做され(民法第921条)、債務超過の遺産も相続することになります。 ●相続人の地位に疑義が発生した者を無視してなされた遺産分割協議は、後日、その者が相続人であることが確定すると無効になります。つまり、全員の意思の合致があれば、どのように遺産分割しようと自由です。もし、相続人間で話し合いが纏まらないときは、民法の法定相続分に従い、遺産分割がなされます。 ●特別受益とは、相続人が生前贈与や遺贈を受けていた場合、他の相続人との公平を期するために、その持分を相続分から差し引く制度です。 ■特別受益の具体例(民法第903条)
●寄与分とは、被相続人の生前、その財産の維持又は増加に特別の貢献をした相続人に与えられるものです。遺産分割協議の際、寄与分は相続財産の中に入れないで計算し、分割されます。つまり、寄与分のある相続人は、遺産分割に依る相続分のほかに、寄与分も余計に受け取ることになります。寄与分はあくまで、相続人に与えられるものであり、家業を手伝っていたような長男の嫁には認められません。 ●寄与分を認めるかどうかは、相続人間の協議に依ります。協議不調の時や協議出来ない時は、寄与者から家庭裁判所に「寄与分を定める審判申立」をして、審判で決定します。 ●遺産分割協議書は、一度作成したら、やり直しが出来ません。相続人の数だけ作成し、全員の署名・捺印をして、各自1通保管します。(後日の証拠として、協議内容を残すことが紛争防止に有益です)また、捺印する印鑑は実印を使用し、印鑑証明を添付することが通例です。(相続に依る所有権移転登記の際の添付書類として遺産分割協議書が必要です)万が一、遺産の一部が漏れていた場合、「錯誤に依る分割協議」として、無効を主張出来ることもあります。 ●質問32 「相続財産の総額を算出する場合の評価額はどうなりますか?」 ●回答 遺産分割における遺産総額は→〔各種遺産〕−〔寄与分額〕−〔債務〕+〔相続人に対する生前贈与額〕で算出されます。これに対する相続人の各自相続持分をかけて、相続額を算定します。財産価額の算定が困難な時や相続人間で話し合いがつかない時は、家庭裁判所に遺産分割の申立をします。家庭裁判所では、専門家に鑑定依頼をして、財産価額を示してくれます。 ■一般的な財産評価基準(税務上の評価額とは別)
●質問33 「法定相続人でも相続人になれない場合がありますか?」 相続欠格とか、相続廃除となった場合は相続も遺贈も受けられないのですか? ●回答 相続について犯罪行為をした者は相続権を喪失し、遺贈を受ける権利も失います。但し、その者の子は代襲相続権を持ちます。しかし、相続放棄をした者の子には代襲権はありません。 ■相続欠格となる場合
■ 相続廃除となる場合 1)被相続人に対して虐待をし、若しくは重大な侮辱を加えたとき。 2)その他の著しい非行があったとき。 即ち、相続関係において、被相続人と相続人の共同関係が破壊され、相続させる理由がない場合(民法第892条)を云います。どの程度の「虐待」「侮辱」「非行」がそれに該当するのか、被相続人が決めるのでなく、家庭裁判所の審判に依り、決定されます。また、相続廃除は取消すことが出来ます。この場合は家庭裁判所に廃除取消を申立てます。廃除取消があると、相続権は復活します。 ●質問34 「売買/取引等に関わる契約解除の仕方は?」 契約違反があった時に、具体的にどうやって対処したらよいですか?特に売買契約について教えて下さい。 ●回答 最近では、物を手に取って見ないで買うと云う契約スタイルが増えてきました。その物やサービスの性能や内容が明らかに、売主の言った中身と違うときは、契約違反になり、以下の対応が想定されます。 1) 売買契約を解除して代金を返還してもらう。 2) 約束通りの性能や内容を持った物と取り替えてもらう。 3) その物を買ったために、損害を受けた場合に損害賠償を売主に請求する。 ●契約解除するには、当事者間に特約又は法律規定に依り、解除する権利があれば、解除する一方的な通知があればよい。相手方の承諾は不要です。 一旦、契約解除の通知を出すと、後になって取りやめることは出来ません。 ●契約解除は後日の証拠づくりのために、配達証明付内容証明郵便で通知することをお勧めします。 ●契約当事者の一方が、期日が来ても債務を履行しないときは、「相当期間」を定めて再度、債務履行を催促し、それでも尚、相手方が債務履行しないときに、はじめて契約解除することが出来ます。(民法第541条) ●一般的に債務不履行の内容は、次の3つに大別されます。 1) 履行遅延 2) 履行不能 3) 不完全履行 ●履行不能な場合、債務の全部又は一部が債務者の責任で履行不能に陥ったときは、催促なしに契約解除出来ます。(民法第543条) ●一定の期日までに必ず債務が履行されないと、契約の性質上、意味をなさないときは、その約束の期日が過ぎれば、催促なしに直ぐに契約解除出来ます。(民法第542条) ●契約当事者の一方が数人いるときは、それぞれ全員から又は全員に対して契約解除の通知をしなければなりません。(民法第544条) ■ 契約解除をした場合の法的効果(民法第545条)
●契約解除されたことに依り、当事者がお互いに原状回復義務を履行しない限り、自分の方の回復義務の履行を拒むこと出来ます。損害賠償義務も同様です。(民法第546条原状回復と同時履行の抗弁) ●契約解除出来る期間を予め決めなかったとき、相手方は解除権を持つ者に対し、相当期間を決めて、その期間内に契約を解除するか否か催告出来ます。もし、その期間内に解除通知がなければ、解除権は消滅します。それ以後は解除することは出来ません。(民法第547条) ●解除権を持つ者が故意又は過失で契約の目的物を毀損したり、相手方に返せなくなったとき、或いは、目的物に手を加えて全然別の物になってしまったときは、それに依り、解除権は消滅し、もはや解除することが出来ません。 故意過失でない限り、契約目的物が毀損又は喪失したとしても、解除権は消滅しません。(民法第548条) |
| ●質問35 「夫が行方不明になって、一年半になります。離婚出来ますか?」 夫が突然、家を出て1年半になります。職も辞し、現在何処に住んでいるのかも分りません。全く音信不通の状態で、この際、離婚したいと思いますが、認められますか?また、その手続きを教えて下さい。 ●回答 夫(相手方)が行方不明であれば、家庭裁判所で調停を行うことは出来ないので、離婚裁判に依ることになります。本件の場合、突然、家を出て音信不通の状態になっていますから、離婚原因の一つである「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)に当たり、離婚が認められます。「悪意の遺棄」とは、正当な理由がないのに、夫婦間の「同居・協力・扶助義務」を果たさないことを意味します。また、「婚姻を継続し難い重大事由」(同条5号)が離婚原因として、主張されれば、更に離婚が認められる根拠が強くなります。 ●質問36 「家庭内別居は、別居と看做されますか?」 以前から夫婦仲が悪く、ここ数年、殆どお互いに口も聞かず、一緒に暮らしていますが、食事も洗濯も寝室も別々です。他に住むと家賃もかかるので、このままの状態でいますが、家庭内別居も別居期間に含まれますか? ●回答 別居とは、文字通り、別々に住んでいることを意味します。住宅事情が悪いことや女性の経済的自立や生計維持が困難などの理由で、夫婦関係が破綻していても、法的な離婚に至らず、家庭内別居のままでいることが珍しいことではなくなっています。 ●質問37 「離婚後補償(扶養)を請求したいのですが・・・?」 夫と離婚することになりましたが、生後6ヶ月の子供を抱えており、就職先が見つからず、経済的に自立出来るまでの3年間程は生活費の面倒をみて欲しいと思っています。高齢や病気等の理由で再就職が出来ないときは、どうなりますか? ●回答 1996年の民法改正案で、夫婦間で作った財産の清算として、財産分与だけでは不十分な場合、夫婦お互いの経済的格差が大きい場合や配偶者の一方が乳幼児を抱えていたり、高齢や病気等の理由で社会復帰が困難な場合に、自立準備期間として、一定期間離婚後の補償(扶養)を認めて経済的公平を図る制度が取り入れられていました。離婚後補償(扶養)は、夫婦で築いた財産は殆どないが、夫に経済資力がある場合の妻への救済になります。慰謝料などと違って、どちらに非があるとか、責任追及する必要がないので、相手方を説得しやすいと言うメリットがあります。 ●質問38 「在日外国人について相続人がいない場合の遺産の処理方法は?」 韓国籍の夫は、かなりの財産を残して死亡しました。夫とは婚姻届を出していませんが、30年以上同棲しており、これまで夫婦同然の生活をしていました。夫には韓国にも日本にも一切、身寄りはないとのことですが、夫の遺産を少しでも貰うことは出来ますか? ●回答 被相続人(内縁の夫)が韓国人なので、相続に関しては、日本でも韓国の相続法(韓国民法)が適用されます。(法例26条)日本国内の裁判所で手続きが進められる場合にも韓国民法を基準として、相続人や相続分の判断がなされます。 |
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●質問39 「出会い系サイト規制法について教えて下さい。」
●質問40 「交通事故の後遺症が残る場合の示談について、注意すべき点は何ですか?」 ●回答 被害者と加害者(保険会社)との話合いがまとまれば、示談書が作成されます。示談書は一旦作成されれば、その内容について後から変更することは原則的にできません。通常は退院後に示談交渉を開始します。後遺症があるとき、又は後遺症が発生する可能性があるときは、後遺障害等等級認定が出るまでは、示談交渉には入れません。それは、後遺症があるときは、損害賠償額が更に高額になるからです。 後遺症がないと思って示談したが、その後、後遺症があることが分った場合は、示談成立後であっても、その後遺症についての損害賠償請求は認められます。(判例)また、示談交渉での注意事項として、時効の問題があります。交通事故等の損害賠償請求権の時効は、「事故発生日(起算日)から3年」です。但し、保険会社に対する保険金請求の時効は2年。いずれも時効消滅したら、請求できないことになりますが、後遺症についての例外があります。つまり、後遺症の損害賠償請求権は後遺障害認定時(後遺症について、医師の診断書が出た日)が時効の起算日となります。 ●質問41 「交通事故に依る通院・入院費用は健康保険も利用出来ますか?」 ●回答 交通事故に依る負傷で、通院・入院することになった場合、自動車保険の強制保険、労災保険、健康保険のいずれかが使えます。労災保険は、業務中の事故である必要性があります。(例、会社主催の旅行中の事故・自宅から会社への出勤途中の事故など)どの保険を使うかは、本来は自由です。一般的に、加害者は初めから健康保険や労災保険を使いたがり、小さな病院は、最初から強制保険(任意保険)を使いたがります。それは、強制保険や任意保険では自由診療が認められ、健康保険より高い単価が認められるからです。しかし、被害者の立場からすれば、強制保険から出る傷害事故の最高限度額の120万円がなくなってしまう心配があります。加害者が任意保険に加入していないときや資力的に補償が不安なときは、被害者は申し出て健康保険を使うのが有利です。実務上では、交通事故の治療費については、加害者が任意保険に加入していれば、医療機関と保険会社との間で、自賠責保険の分も含めて治療費を支払う一括支払いの約束の下で、治療機関から保険会社へ請求する取扱が行われています。入院治療の場合など、病院が被害者に代わり、保険会社に治療費を請求することになります。(保険金請求を病院に委任する旨の委任状を求められることがあります) ●ひき逃げに遭遇し加害者が分らないとき又は、加害者が強制保険に加入していないときは、自動車損害賠償保障法に依り、「政府保障事業」という制度があります。 この場合は、どの保険会社に対しても給付金の支払い請求をすることができます。 給付金は強制保険と同じで、傷害事故で上限120万円(死亡事故3000万円) 但し、給付金が支給されるまでは、1年以上かかることがあります。 ●質問42 「交通事故示談交渉の前にどんな書類が必要ですか?」 ●回答 死亡事故の被害者側では、死亡者が余程の高齢者でない限り、強制保険から3000万円の保険金が出ます。まず、被害者側の生活を安定させ、その後に示談交渉して、損害賠償額の交渉に入ります。示談交渉や強制保険の請求に必要な書類は、まず「事故証明書」です。(保険会社や警察署に申請し、自動車安全交通センターで発行)事故証明書は、「事故がいつ・何処で・どのように発生したかを証明する書類」です。また、死亡事故の損害賠償請求権者は相続人ですから、相続人であることを明らかにする書類、「死亡した本人の除籍謄本」・「遺族の戸籍謄本」が必要です。 或いは、死亡した被害者が病院に運ばれ、入院・手術・治療費等を受けた後に死亡したときは、これらの費用を証明する書類として、「診断書」・「診療報酬明細書」・「付添看護の領収書」が必要です。 ●他に、「葬儀費用等実際にかかった費用を証明できる領収書」、「被害者の収入を証明できる逸失利益の証明」(例、勤務先発行の給与証明書・源泉徴収票、自営であれば、前年度の確定申告書の控え・納税証明書等)が必要となります。 |
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| ●質問43 「連鎖販売取引(マルチ商法)とは、どんな取引内容ですか?また、広告規制や義務、契約取消のことも教示ください。」 ●回答 特定商取引法(特商法)の適用対象になる連鎖販売取引は、以下の要点を備える取引を言う。 物品・権利の販売・斡旋、役務の提供・斡旋の事業において、再販売・受託販売・販売の斡旋をする者、役務提供・役務提供の斡旋をする者を特定利益が得られるとして誘引し、その者と特定負担をすることを伴うその商品の販売・役務の提供・その斡旋の取引。 ●広告規制
連鎖販売取引に際して、契約を締結しようとするときには「概要書面」の交付義務がある。 また、契約を締結するときには、「契約書面」の交付義務がある。(その記載事項は特商法37条2項、同施行規則29条・30条に規定されている。) ●契約解除 書面交付を受けた日又は、商品を受け取った日のどちらか遅い日から20日間以内ならクーリングオフが認められている。(特商法40条) ●返品 連鎖販売組織に入って1年経たない会員が退会する時には、遡って90日以内に購入した商品のうち、未使用のものについては、商品価格の10パーセントと遅延損害金を足した金額以内で返品できる。(特商法40条2第2項・4項) ●契約取消 勧誘や契約の際に不実告知があり、消費者が誤認した場合、故意に事実を告げないために消費者が誤認した場合などでは、契約の取消が認められる。 ●その他 民法上の詐欺、錯誤、公序良俗違反、不法行為などがあれば、取消や無効が主張できる。 ●質問44 「ペットショップで犬を買ってから、3日で死んでしまった。ペットショップに対して治療費請求や返金請求は可能か?」 ●質問45 「パソコン教室をクーリングオフ期間内なのに解約できない?」
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| ●質問46 「内縁関係を解消したときの損害賠償請求は可能ですか?」 ●回答 内縁関係については、民法上特別の規定はなく、学説と判例により研究されてきた。内縁の男女は、戸籍法の定める婚姻届が出ていないだけで、その実態は完全な夫婦であ り、当人同士も婚姻する意思があり、傍から見ても夫婦であると思われても仕方のない共同生活の実態があることが前提である。内縁関係の解消には、離婚届けなどのような特別の形式も必要ない。しかし、最高裁判例にあるように、婚姻関係に準ずる関係として「内縁を不当に破棄された者は、相手方に対し婚姻予約の不履行を理由として損害賠償を求めることができると共に、不法行為を理由に損害賠償を求めることもできる」と明言されている。労災・共済などの法律の中では条文に明記して内縁関係の配偶者を保護している。また、離縁慰謝料のほかに、婚姻に準じた関係から内縁関係にも、同居・協力・扶助の義務や生活費分担義務があり、財産分与の規定の準用を認めている。 しかし、離婚手続きをしないで、婚姻状態が継続したまま、別の女性と内縁関係になった場合は、重婚的内縁と呼ばれ、公序良俗に反し、無効であり、保護に値しない。例外的に保護されるケースは次の通りである。 1、法律上の婚姻が長い期間断絶して復活の見込みがなく形骸化している場合 2、内縁関係の方が実質上の夫婦関係として相当期間、公然と共同生活が継続している場合 3、重婚的内縁に至ったことについて、財産分与・慰謝料を請求する側に主たる責任がない場合 ●質問47 「セクハラを受けた場合の損害賠償請求は?」 ●回答 セクハラはセクシャル・ハラスメントの略語で、「性的いやがらせ」と解釈される。セクハラ行為は、受けた本人が不快であると感じれば、そのようないやがらせはしてはいけないというのが、男女雇用機会均等法の考え方である。性的いやがらせかどうか、その性的言動を受けた本人の判断による。職場における女性に対する性的いやがらせ行為は、女性に対する暴力であり、人権侵害となる。不必要な肉体的接触、容姿に対する侮辱的表現、地位を利用したセックスの要求など、女性の就業環境を害することが典型である。雇用する従業員が女性にセクハラを行い、その女性に損害を与えたときは、民法709条に基づき、損害賠償責任を負担する。会社はセクハラ防止策を義務づけられ、セクハラが起きたとき適切且つ迅速な苦情処理をしなければならない。この義務違反があれば、使用者責任を追及して損害賠償を請求できるほか、必要なセクハラ対策を取ることや不当な処遇の是正も請求できる。判例を紹介すると、「不倫している」「遊び好き」などの性的中傷を受け、退職に追い込まれた女性が、中傷した男性と会社を相手取り、不法行為による損害賠償請求を提訴した。裁判所は女性の人格権を侵害するものであるとして、165万円の支払いを命じた。 ●質問48 「購入した車が事故車だった場合、契約は取消せますか?」 営業マンから「この車は事故車ではなく、走行距離もまだ、1万キロしか走っていないので、お買い得」と勧められ、早速契約を取り交わし、その車を購入した。二ヶ月後にガソリンスタンドで点検したら、事故車であることやメーターが改ざんされ、4万キロ以上走っていることが判明した。この場合、契約を取消すことが可能ですか? ●回答 「事故車ではない」と営業マンから説明があったところ、実際には事故車であったわけだから、消費者契約法4条1項1号の不実告知に該当し、契約の取消は可能である。また、メーター改ざん行為も、実際の走行距離を欺いた行為であり、民法96条の詐欺による取消も認められる。事業者と個人との契約において、事業者が勧誘する際に、不実告知、断定的判断の提供、不利益事実の不告知により、重要事項について誤認して契約した場合、或いは、事業者の不退去、事業者の監禁により、困惑して契約した場合には、消費者契約法により、契約を取り消すことができる。不実告知とは、「重要事項について事実と異なることを告げること」を意味する。「事実と異なること」とは、「客観的に真実でないこと」を言う。本件の場合、事故車であることを知ったときから6ヶ月または、契約締結日から5年のうち、早く到達する日まで取消すことが可能である。 ●質問49 「コンピュータプログラムは著作物として保護されますか?」 ●回答 コンピュータプログラムは、従来から著作権法で保護されているが、平成14年度の特許法改正で「物の発明」として、特許としても保護されることになった。媒体に記録されていないプログラムも物の発明として保護されるということである。コンピュータプログラムにおける著作権と特許の違いは、前者では、アイデアそれ自体は保護対象ではなく、これを使用して表現したもの(プログラムコード)が保護対象であるのに対し、後者では、アイデアそれ自体を保護することになる。つまり、プログラムのアイデア、機能等を真似た場合、特許権侵害となるが、著作権侵害にはならない。また、著作権は無登録主義であり、創作した時点で権利が発生し保護されるが、特許権は「発明の要件」を備え、出願、登録等の手続きが必要となる。 ●質問50 「母は高齢でぼけの症状が出てきたので、成年後見制度を利用したいと思います。どんな制度ですか?」 |
| ●質問51 「夫婦親子が交通事故で同時に死亡したときは、相続関係はどのようになるか?」 ●回答 夫婦又は父母(被相続人)と子(相続人)が同時に死亡したときは、夫婦間および親子間の双方共に相互に相続そのものが発生しない。但し、父母と同時死亡した子の実子(孫)がある場合は、当該実子(孫)が死亡した親(子)に代わり、祖父母の財産について相続することになる。 ● 相続は人の死亡のみを開始原因とし、被相続人が死亡した時に開始する。(民法882条) 失踪などによる不在者の生死が7年間不明であるとき、又は戦地に臨んだ人又は沈没した船舶中にあった人など、特に死亡の可能性が高いときは、1年間その生死が不明であれば利害関係人の請求により、家庭裁判所による失踪宣告がされると、その人は死亡したものとして取り扱われる。 (民法30条・31条)この場合、それぞれ死亡したものと看做されたときに相続が開始する。 ● 近年、交通機関の発達により国内外を問わず夫婦、親子が航空機や自動車などを利用して一緒に旅行する場合が多くなっている。事故が発生して全員死亡したような場合、誰が先に死亡したか、その先後関係を明らかにすることは困難である。このような場合、死亡の先後が明白でないとき、関係人は同時に死亡したものと推定される。(民法32条)これを同時死亡の推定という。 ●質問52 「先妻の子と後妻の子には、父親の遺産をどのように分配するか?」 ●回答 先妻及び後妻との間で婚姻中に出生した子は、父親の遺産に関しては、いずれも第1順位の推定相続人となり、その地位に差異はない。従って、推定相続人である子について、相続欠格又は推定相続人の廃除という特別事情がなければ、いずれの子も法定相続分に基づき平等の割合で父親の遺産を相続することになる。但し、父親は遺言又は生前における子どもとの死因贈与契約をすることにより、法定相続分とは異なる遺産を分かち与えることができる。また、父親の先妻及び後妻がいずれも内縁の妻であった場合、その間の子は父親の認知がされていないときは、相続人になれない。 ●質問53 「内縁の妻は相続できるか?」 ●回答 内縁の妻は、内縁の夫の法定相続人には含まれない。相続権は発生せず、遺産を相続することはできない。但し、内縁の夫が内縁の妻に対して、遺言による遺贈をしたり、生前における死因贈与契約によって財産を贈与することはできる。 ● 内縁の妻の法的地位 民法は婚姻については届出主義を採っている。戸籍法に定める婚姻届出という形式を踏まない限り、法律上の夫婦とは認められない。法律上は内縁の夫の遺産は、すべて内縁の夫の法定相続人である父母又は兄弟姉妹に相続される。近年、内縁関係も社会的には事実上の夫婦としての生活実態が存在することを前提に、内縁関係にある人について、遺族補償の受給権(労働基準法79条)を認め、健康保険の被扶養者(健康保険法3条7項1号)としての地位を認めるなどの保護が図られるようになった。 ●質問54 「遺産分割前に預金の払戻しをするにはどうしたらよいですか?」 ●回答 相続開始後、遺産分割確定前に葬式費用に充てるために被相続人名義の預金を引き出す場合、預金払戻請求を金融機関に依頼する。通常、金融機関は、相続人が預金を勝手に引出すことを防止するため、被相続人の死亡を確認すると被相続人名義の預金を凍結する。銀行所定の預金払戻請求書に必要事項を記入し、被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本及び相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書(過去3ヶ月以内)・死亡届書・相続人の念書などを添付書類として銀行に提出する必要がある。
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| ●質問56 「インターネットでブランド品を販売するには、古物商許可申請が必要ですが、その手続きは?」 ●回答 古物営業では、営業所ごとに業務を適正に実施するための責任者として、管理者を選任しなければならない。営業所を管轄する公安委員会に許可申請をして許可が必要である。その許可申請の必要書類は以下の通り。
●質問57 「不貞(不倫)における慰謝料請求の注意点を教示下さい。」 ●回答 内容証明郵便で不貞(不倫)相手に通知書を書く場合、幾つかの注意点があります。 感情論が先行し、文面が脅迫めいたものになりがちです。請求側の意図したものが逆に、相手に対して、脅迫・恐喝の印象を与えることもあります。内容証明は相手方にも証拠として残ります。強迫・恐喝で反対に刑事罰を受けないように、文面は素人判断で書かないことが重要。法律上(民法)の根拠を明確にし、ポンイトを整理して、請求することが大切です。 不貞が原因で、離婚するケースでは、元配偶者の証言は当てにならないことが多いです。相手をかばって、全く事実に反することを言ったり、嘘をつくことがあります。その意味で、状況証拠や物的証拠を収集し、証拠を確固たるものにしておく必要があります。また、慰謝料請求には消滅時効の問題があります。不貞の事実を知ってから3年以内に請求しないと時効消滅を援用される可能性があります。また、不貞行為の時から20年経過すると除斥期間となり、請求権がなくなります。慰謝料請求すると決意したら、証拠が風化しないうちに、早めに相手方に法的論拠を網羅した通知書を出すようにして下さい。 ●質問58 「ペットの犬と公園で散歩していたところ、放たれていた大型犬が近寄ってきて、犬同士の喧嘩になり、ペットの犬は傷が原因で死に、その飼主も犬に手を咬まれて負傷しました。大型犬の飼主に死んだ犬の損害賠償や慰謝料、負傷した治療費の請求は可能ですか?」 ●回答 ペットの飼い主は、動物愛護法5条1項の規定に基づき、責任規定があります。「命あるものである動物の所有者又は占有者としての責任を十分に自覚して、その動物を適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは、財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない」 また、動物の占有者又は保管者として、ペットが他人に加えた損害につき、原則として損害賠償責任を負わなければなりません。(例外的に、動物の種類及び性質に従い、相当の注意を払って保管していた場合に限り、その責任を免れる。民法第718条) 相当の注意とは、犬を飼う者として通常払うべき程度の注意義務をいい、格別異常な事態に対処しうるべき程度の注意義務まで飼主に課したものでないとされる。具体的には、その動物の種類、性質及び周囲の状況に照らして、その際にとった占有者の具体的処置が相当であったかどうかによって決定される。 本件の場合は、場所的に誰でも出入り自由な公共の公園であり、しかも大型犬で被害者の犬を咬み、死に致らした点を考えたとき、放し飼いにして直ぐに制止できない状態で遊ばせていたことになり、飼主は相当な注意を持って犬を保管していたと言えない。従って、大型犬が被害者の手やその犬に咬み付けば、その大型犬の飼主に対し、損害賠償請求が可能である。 ● 損害賠償の範囲 その損害が飼主の不法行為によって生じたものであり、その間に相当因果関係が必要である。 つまり、その不法行為があれば一般に当然生じるであろうと誰もが思うような損害を言う。咬まれた犬の治療に通常必要な範囲での治療費は、相当因果関係ありとして、その治療費の実費を請求することができる。 死んだ犬の賠償は、その犬の時価額(新たに購入する費用)を相当因果関係にある損害として請求できる。例外として、雄犬の死亡に伴う交配料収入の逸失利益は特別事情に基づく損害であるが、その当事者が居住する住宅地区では、交配収入を得られるような犬の飼育者も希ではないことから、相手方もその事情を知り得たとして、その雄犬の年間交配料収入から必要経費を控除した分につき、3年間の逸失利益を認めた。(判例) 犬が死んだことによる慰謝料については、飼主の慰謝料請求も可能である。判例によると、犬の負傷につき、15000円を認めた例がある。手を咬まれた被害者の治療費・慰謝料については、民法718条により、占有者・保管者の過失により大型犬によって、手を咬まれたのであれば、損害賠償請求が出来るが、本件のように、自分の飼い犬か相手方の大型犬かいずれに咬まれたのかが不明なため、飼主の保管に関する注意義務違反により、その大型犬によって咬まれたということが立証不可能と思われる。(民法718条により、飼主の責任を追及することは困難。) また、判例によると、咬まれた被害者の損害賠償請求を認めたケースがある。飼主を咬んだ犬がいずれか不明であるとしても、相手方の犬に襲われたことにより、自分の犬を守ろうとして手を出したところを咬まれたのであり、そのような状況も起こりうることを予測しうるにもかかわらず、漫然と犬を放していた者には過失があるとして、民法709条により、慰謝料15万円、治療費1万円余などを認めたケース。 (その他参考条文)民法718条1項・2項「動物の占有者はその動物が他人に加えた損害を賠償する責めに任ず。占有者に代わって動物を保管する者も亦同じ。」と規定している。この根拠は、動物の占有者(または保管者)は、その動物に一番近い所にいるので、その動物が他人に損害を与えるのを防ぐことも可能であるから、ひとたび損害を与えたときは、その責任も負わせるべきであるという考え方に基づく。 保管者とは、他人の動物を借りた人(賃借人)、預った人(受寄者)、運送人などを言う。 |
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| ●質問59 「婚姻費用分担の調停について教示下さい。」 ●回答 婚姻費用(略して、コンピとも言う)とは、生活費のことです。(民法760条 夫婦はその資産・収入・家事労働そのほか一切の事情を考慮して、結婚生活の費用を分担する) 衣食住の費用は勿論のこと、医療費、養育費、教育費、相応の娯楽費、交際費も含まれます。別居しても、離婚が成立していない間は、夫婦相互に助け合う義務が継続します。生活費に困窮したら、直ぐに「婚姻費用分担の調停申立」を家庭裁判所にすることを勧めます。戸籍謄本と住民票を添付して、本人でも比較的簡単に申立できます。 また、婚姻費用の分担額の目安として、生活保護基準方式・標準家計方式・総合消費単位方式の3つの方式があります。 |
●質問61 「家賃値上げと更新料について教示下さい。」 ●質問62 「風俗営業許可申請の手続きを教示下さい。」
●許可申請必要書類及び注意事項
●許可申請書は、正副2通用意すること。 ●公安委員会への手数料は金27000円分、石川県の場合→県証紙 |
●質問64 「婚姻前の男女間に出生する子について、出生届による入籍の当初から子の戸籍に父の記載がなされるためにはどうしたらよいですか?」 ●質問65 「夫婦の一方のみが他の養子となる縁組をした場合、配偶者とその子の戸籍はどうなりますか?」 |
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●質問67 「離婚した女性が再婚できるまでの期間はどのくらいですか?前夫との子を再婚後の母の戸籍に入籍させるにはどうしたらよいですか?」 ●質問68 「ローンの分割返済が遅延した場合の超過利息を含めた貸手側の残額一括払請求の正当性は?」 ●厳格要件であるみなし弁済の要件
●質問69 共同相続人が親権者とその親権に服する未成年者数人の場合、遺産分割協議をするためにはどうしたらよいか? ●質問70 相続人の一人が行方不明の場合、不在者財産管理人は遺産分割協議できるのか? |
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●質問71 南米在住の日本人が遺産分割協議書等にする署名について、その証明は誰がするのか? |
●質問72 特別受益とはどんなことですか? ●回答 相続人が贈与や遺贈等を受けていた場合に、他の相続人とのバランスを図るため、その贈与や遺贈分を相続した分から差し引く制度を言います。 これに該当する贈与にどんなものが考えられるか以下に列挙します。(民法903条)
●質問73 寄与分は相続財産に含まれますか? ●質問74 法定相続人でも相続人になれないケースはありますか?
●相続廃除の場合 ●質問75 離婚に伴う財産分与と平成16年の年金改革法案で認められた年金分割について教示下さい。 ●質問76 著作者の権利の二面性と著作者の定義を教えて下さい。 ●質問77 新会社法(平成17年法律第86号)における商号や目的の申請書の記載は? ●質問78 払込を証明する書面は具体的にどのように作成したらよいですか? ●質問79 取締役の変更登記はどのようになりますか? ●質問80 現在の取締役の任期の扱いはどうなりますか? ●質問81 公開会社である小会社の監査役は会社法施行後はどのようになりますか? ●質問82 現在の有限会社は会社法施行後、どのようになりますか? |
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●質問83 実親と養親が相続する場合の具体例を教えて下さい。 ●回答 被相続人(死亡して財産を遺した人)に子供も配偶者もいないとき、第2順位の相続人(財産を承継する人)である親が全財産を相続する。その被相続人が養子であり、養い方の親も実の親も健在である場合が質問のケースに該当する。養子縁組をすると、法定血族として養親と養子の関係は実親と実子の関係と同様になる。しかも、養子になった子は里との関係も切れず、実親実子の関係が残る。(但し、特別養子縁組による養子はこの限りにあらず)従って、養父母も実父母も同等の割合で全員が相続することになる。 ●質問84 甥(おい)、姪(めい)が相続する場合の具体例を教えて下さい。 ●回答 被相続人の子供・孫・曾孫及び父母・祖父母のいずれもいないとき、兄弟姉妹が相続人になる。更に、兄弟姉妹に死亡している者がいて、その子供(被相続人の甥・姪)がいる場合、その甥・姪が代襲相続することになる。代襲相続は親の相続分を親に代わってそのまま相続するので、兄弟二人であれば、その相続分は2分の1ずつになる。但し、甥・姪には遺留分はない。
●質問86 子供と連れ子がいる場合の相続はどうなるのか? ●回答 妻の連れ子は妻から見れば、半血兄弟姉妹であるが、父から見れば、継子であり、法律上の親子関係はない。つまり、血族ではなく、姻戚関係に過ぎないため、継子に相続権はない。継子に相続させたい場合、被相続人の存命中に養子縁組をしておくか、遺言で遺贈をしておくことになる。そうすれば、養子となった連れ子も他の兄弟姉妹と同等の相続分を有することになる。 ●質問87 遺産分割協議に関して基本的な法的知識を教示下さい。 ●回答 遺言がない場合、相続人間の話合い(協議)による遺産分割をする。このことを遺産分割協議という。民法906条で、遺産分割の基準として、「遺産に属する物又は、権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状況及び生活の状態その他一切の事情を考慮して行う」とされている。分割協議は、相続開始(被相続人の死亡又は失踪宣告後)なら、いつでもできる。相続人が一同に会して行うのが普通であるが、書面の持ち回りでも構わない。協議は相続人全員の意思の合致によって成立する。多数決によることはできない。相続人の地位で疑問のある者を無視した分割協議は、後日、その者が相続人であることが確定すると、その分割協議は無効になる。全員の意思の合致があれば、どのように分割しようと自由である。以上のような分割協議が成立したら、署名、実印を押印した遺産分割協議書を作成することになる。(預貯金等の名義変換や相続登記等の原因証書として活用される) また、相続人の中に未成年者がいる場合、未成年者には法律行為能力がないので、法定代理人が代わって法律行為をする。代理人には、原則的に親権者(親)がなるが、相続の場合、その親権者自身も相続人である(利益相反行為になる)ことが一般的であるため、その時は、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらう必要がある。 |
●質問88 離婚原因の一つである不貞行為の法的概念を教えて下さい。 ●回答 不貞行為とは、自由意思に基づき、配偶者以外の異性と性交渉を行うことを言います。判例・通説では、性交渉の関係に限定する説を支持しているが、一方では、一夫一婦制の貞操義務違反に当たる全ての行動を言う説もあります。(通説・判例よりも広い解釈)仮に、配偶者が強姦した場合にも不貞行為と認定されます。(判例)また、配偶者が強姦の被害に遭った場合は、離婚原因の不貞行為に該当しません。不貞を一旦、宥恕(ゆうじょ・許すこと)した場合、過去の不貞行為を理由に有責配偶者であると主張することは信義則上、許されない。実務では、不貞行為を行った者が必ずしも、主たる有責配偶者であるわけでなく、双方の有責性が比較考量されますが、概して、不貞行為の有責性は他の婚姻義務違反よりも重く捉えられます。 ●質問89 婚姻費用の分担義務について教示下さい。 ●回答 婚姻費用とは、夫婦の婚姻期間中、婚姻家庭がその資産・収入・社会的地位等に応じた通常の社会生活を維持するための必要な費用を意味します。民法760条の規定により「夫婦はその資産・収入・家事労働その他一切の事情を考慮して、結婚生活の費用を分担する」義務があります。別居していても婚姻期間は継続しているので、配偶者は一方の配偶者に婚姻費用の分担を請求できます。婚姻費用の額や支払い方法等は、まず夫婦の話合いで決めるのが原則です。お互いの収入や財産、子どもにかかる教育費等の額等を考慮して協議し決定することになります。協議ができないときや協議が整わないときは、一方の配偶者の住所地を管轄する家庭裁判所に婚姻費用分担の調停申立をすることができます。 また、婚姻費用の簡易迅速な算定方式に「東京・大阪養育費等研究会」が提案した資料が紹介されています。 ●質問90 財産分与のことを詳しく教えて下さい。 ●回答 夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産を離婚の際に分与(分け合う)することを財産分与と言います。(民法768条・771条)この財産分与には3つの性格があります。 @ 夫婦財産の清算として(清算的財産分与)A 離婚後の扶養として(扶養的財産分与) B 精神的苦痛に対する慰謝料として(慰謝料的財産分与) 判例上、財産分与を受けた後でも、分与の額や方法が請求者の精神的苦痛を慰謝するに足りなかった場合、別途に慰謝料を請求することができます。内縁関係が解消された場合でも、財産分与や慰謝料を請求することが可能です。 財産分与の対象となる共同財産の具体例
専業主婦の場合、夫婦財産の形成に対する貢献度の割合は3割から4割とされています。 但し、特段の事情がなければ、夫婦財産形成に関する貢献度は等しいとされています。 (2分の1ルールの適用) ●質問91 養育費の法的な意味合いを教えて下さい。 ●回答 養育費の支払義務は親権の有無や子との同居の有無に関係なく、子の母であり、父である親子の身分関係から発生する義務であります。夫婦間の話合い(協議)が可能であれば、分担額や支払時期、支払方法等を取決めることになります。その取り決めは口頭での約束でも有効ですが、取り決め内容を明確にし、文書(離婚協議書)に残し、更に、強制執行可能な公正証書を作成することをお勧め致します。話合いが困難な場合、配偶者の住所地を管轄する家庭裁判所に養育費支払いの調停申立をすることになります。 家庭裁判所では、父母双方の資産、収入、生活状態、子の年齢・数等一切の事情を考慮して、父母の割合を決め、その割合に応じた分担額の支払いを命じてくれます。 養育費の額は、父母の協議によって決めるのが原則ですが、双方の主張に隔たりがあったり、合意が難しい場合、合理的な算定基準として、東京・大阪養育費等研究会が提案した簡易迅速な資料も参考になります。 養育費は過去の分も含めて請求できます。(養育費には時効はありません)また、離婚当時、予測しなかった個人的・社会的事情の変更が生じた場合には、養育費の増額・減額、支払い期間の延長等を請求できます。 |